黒森神楽「山の神」@2016北上市如意輪寺公演
さて本日は、2016年5月3日に北上市如意輪寺にて行なわれた黒森神楽公演から山の神です。
楽唱 〽 ヒイーヤーハー 山の神
胴前が受けて 〽 育ちは何処 奥山で とやまがさきの榊葉がもと
山の神舞は黒森神楽や鵜鳥神楽では最も重要とされる演目=神様であり、漁業や山仕事農業を守護する神として崇拝されている山の神を表したもので、非常に手の込んだ構成になっています。
四方を祓う四方浄土の舞に続いて歌がかかると散供となる
〽 サンヤー みくばよね みくばよねサンヤー
続いて面を外して装束を改めるため幕入りしている間に山の神の本地が語られます。
「面白し 面白し 先や面白し
さあらさらと下り給ふ 今夜あやにます色良き方に候ヘ共
御祈祷に 千代の御神楽舞遊ぶ 参らせたりは重ね重ねに
四季なれば 四季事申す春の四季 四季より御手に遊び申せば
そーも そーも 山の神の御本地を委しく説き奉るに おろかにあらねど
父親ならば大王と申し奉る 母親御神の御名をば金比羅才良しご神と申す也
御夫妻となって 十二人の御子を持たせ賜う
十二人の御子に十二の御身名を付けさせ賜うほどの目出度さよ 目出度さよ
されば太郎は子 次郎は丑 三郎は虎四郎 四郎は卯
五郎は辰 六郎は已 七郎は午 八郎は羊 九郎は申 十郎は酉 戌亥とて
十二人の御子に 十二の御身名を付けさせ給ふ程の目出度さよ目出度さよ
夜の驚き無く昼の騒ぎ無く 升目の鏡に曇りなく
中よりも山々せんごくとはさてみずから誠を申すなり
山々岳々の腰をゆうり巡り給ふもさて自ら誠を申す也
されば観音は 思の恩の法ぜんが為に 法善法願と弥陀をいただき
そくしん体に恥をなやます
此の殿の 大旦那の 天の不世話の中の間に
一年に一度 二年に二度 下るべくにてはあらねども
正利正善とみ蔭を映し 御利生には何をか与え取らすべし
ひんならん ひんぜ中用仰せおらなんだ
十字かたの付き あやの心来って巡れ共
今日今夜守らせ給ふ大旦那 旦那の御ご祈祷と祝ひ申せば」
舞下し 御幣を採って軽快に舞い納めます
動画でどうぞ
