黒森神楽「清祓」@2016北上市如意輪寺公演
さて本日は、2016年5月3日に北上市如意輪寺にて行なわれた黒森神楽公演から清祓です。
この日は国見山まつりの一環として黒森神楽を呼んできたようでした。内陸で黒森神楽を見ることができるとあって、本堂内はギッシリの入り込みでした。(今となっては夢のような空間ですが・・・)
黒森神楽は今年は南回り巡行の年でしたが、コロナ感染症対応ということで舞立たないということになったそうです。
致し方ないことですので、また神楽宿で酒を回し飲みしながら神楽を楽しむ日を待ちたいと思います。
黒森神楽については今更説明の必要もありませんが黒森神社の権現さまを奉じて毎年三陸沿岸部を廻村する神楽として知られています。
その廻村は宝暦8(1758)年の「宮古黒森山獅子舞廻り方三閉伊所附帳」によって延宝年間(1673~81)以前から、行われており、また、現在22頭ある獅子頭で最古の記年銘は文明17(1485)年であることから、黒森神楽の発祥は室町時代ということです。
廻り神楽としての活動は、毎年正月3日に黒森神社で舞立ちをし、岩手県沿岸部を南北隔年で回ることを常としている。
北廻りは宮古市から普代村までと、南廻りは宮古市から大槌町まで行っている。
さて、演目の清祓は神楽の始めに演じられる神楽の場を払い清める舞であり、手に持つ桃の枝は邪気を払う呪力があるとされている。(伊弉冉尊が黄泉の国で追い迫る悪鬼を払うため桃の実を投げた故事による)
カゴイは神下るで舞手が幕より出て、胴取りが「おりきてあそべ よもの神々」
舞手が開扇と桃の枝を前に立てて持ち、言い立てをする
「おう われこそはタケスサノウノミコトなり」
「この家 この村に 禍事あるならば このももたまの 御幣をもって 祓い清め申す」
次に盆に盛った塩を持っての言い立て
「この塩を持ちて 七浦八浦の悪を祓い清め申す」と唱えて塩を撒き、最後に刀を持っての言い立ては「この太刀により家と村を祓う」と唱えて刀の舞となる。
動画でどうぞ
