春日流落合鹿踊@2020イトーヨーカドー花巻店公演
今日は小正月でしたが、例年どおりの行事はほとんどありません。神事のみとか関係者のみとかが今できる範囲なのかもしれません。
といった中でも、3蜜避けてのイベントは細々ながら行われています。
そういった中から本日は昨年11月22日に花巻市のイトーヨーカドーで行なわれた店内イベントについてです。
この日は、花巻市東和町の春日流落合鹿踊でした。
演舞の前に、イトーヨーカドー2階フロアを道太鼓で歩きました。
現代版の門付けともいえますね。ショッピングモールは街そのものですから。
見ている側もおひねり出してもいいかもしれませんね。投げ草が出たりして・・・。
といったわけで、正面玄関前広場にて鹿踊です。たくさんの買い物客が集まってきました。
春日流の鹿踊は現花巻市内にのみ伝播した流派で、その濫觴がこの落合鹿踊です。
東和町落合地区(旧谷内村落合)に鎮座する熊野神社境内に文化元年(1804)の供養碑があり、熊野神社の秋祭り(9月19日)と盆供養に踊ることになっていたという。
その後、落合を基点に明治初年に宮野目の上ノ山鹿踊に、そこから明治7年に湯本の湯本鹿踊に伝授されている。
違う流れとして石鳥谷町の八幡鹿踊は、落合鹿踊から石鳥谷町関口を経由して明治10年に伝授されている。
丹内村落合は伊達南部の藩境地域でもあるため、江刺の金津流や北上の更木の影響も受けていると思われるが、上ノ山の伝書には「落合鹿は宮城郡国分荘の松森村からきたもの」とあるそうなので、金津との関係がありそうです。
装束の前幕咽印は井桁に九曜星(昭和44年刊行 岩手の民俗芸能鹿踊編上巻 には七曜星とある)、横幕には龍紋と波が描かれている。
落合鹿踊の演目は、一番庭、二番庭、案山子踊、綱踊、御馬屋踊等、そして儀礼舞の三光の礼があるという。
この日のイトーヨーカドーにしても、正月の北上パルや盛岡イオンモールなどの大型商業施設では今年も例年どおり民俗芸能公演が行なわれた。
一昔前の「町」の商店街では初売りや小正月には近在の芸能団体が門付けに出て「稼ぎ取り」したものである。
鹿踊や剣舞、田植踊さらには手踊りといった芸能を見て買い物客や商店主たちは正月の賑やかさや、今年一年の平穏無事を祈る場面でもあった。
そういった意味合いの芸能披露がこの商業施設での公演にはあるのだと思います。
これからの民俗芸能上演で欠かせない要素となっていくかもしれません。
動画でどうぞ
