宿大乗神楽「正足」@2020平穏祈念神楽奉納
さて本日は、2020年9月27日に開催された平穏祈念神楽奉納から宿大乗神楽で正足です。
あらためて、宿大乗神楽さんの由来について
「嘉永元年(1848)、宮城県遠田郡涌谷箆岳の箆峰寺から南笹間(花巻市)の万法院に伝えられ、万法院から村崎野妙法院(天照御祖神社・伊勢神社)に伝えられ、明治30年に村崎野妙法院から二子八幡の妙泉院(二子八幡神社)に伝えられました。
明治34年に村崎野大乗神楽初代和田永全法印から、二子下宿の千田行全法印に榊舞が伝承され、宿大乗神楽として発祥しました。
その後、大正13年に2代目庭元川辺瑞全(宇介)、昭和44年に3代目庭元千田瑶全(貞三)、昭和54年に4代目庭元千田善弘法嗣(善弘)、平成22年に5代目庭元及川善和浄土(和生)として引き継がれています。」
とあります。現在の代表者は及川和生さんです。
正足は浜神楽や流神楽にも演じられている演目ですが、それぞれ多少の違いがあります。
仙台の大崎八幡宮の神楽本には将足(ひょうそく)として表れていて腰に刀、背中に幣束を差して舞い、最後は二本剣で舞う。
また、薬莱山の三輪流神楽の神楽秘伝鈔には正作としてあり太玉命の舞となっていて、やはり腰に幣束を挿して舞い、最後は両剣で御神楽四方掛かりで舞い納めるとある。
そして、大乗神楽では背中に鉾を挿して幕より出て早拍子で舞います。舞の手は魔王と同じとありますが、スピード感がある点で魔王より一層鬼気迫るスリリングな舞となっています。
正足は、大威夜叉王であり、本地は観音自在如来、悪魔外道切り払いのため鉾をもって四方浄土と舞うものという。
終盤には、舞手自身が鉾と太刀を振り回し跳躍しつつ大音声で唱える
〽 魔王たりや 魔王たりや 大六天が参いたりや
まさに疫病退散の祈祷舞となりました。
動画でどうぞ
