牛頭天王古版木発見と青空説法「不退山鎮守三社祭」
さて本日は令和2年7月5日に一関市藤沢町保呂羽の不退山長徳寺で行われました三社祭についてです。
七月の祭りといえば京都の祇園祭から全国各地に広まったものが多くを占めている。
祇園祭は、疫病の流行により朝廷が863年(貞観5年)に神泉苑で行った御霊会に端を発する。
今回の長徳寺においての三社祭は、境内三社「天神社」「熊野社」「祇園社」の祭典として行うとともに、新型コロナウィルス終息を祈願しての法要となった。
祇園社の本尊は牛頭天王ですが、こちらの牛頭天王の前には今回発見された疫病退散祈願の古版木から摺った御札がありました。この札があれば鬼病退散間違いなし!
当日は青空説法の予定でしたが、雨の心配もあり本堂の中での説法となりました。
パワーポイントを使っての法話とは、若い和尚さんならでは。
疫病の歴史から、死生観の話まで大変聞きやすい法話でした。
ところで長徳寺といえば蘇民祭。
蘇民祭も牛頭天王にまつわる祭りです。
長徳寺蘇民祭について「岩手の蘇民祭」(平成14年岩手県教育委員会刊行)より抜粋
「明治27年12月4日付で油島から不動尊を当時の20円で譲り受けた際に祭も付いてきた。譲り受けたことについては証文も残っている。
昔は正月27日~28日にかけて行われた行事であり、27日はおこもり、28日午前1時より別当登り、2時より鬼子登り、3時より柴燈木登り、4時より袋ねじりの順に行われていた。昭和24年~30年の7年間、蘇民袋争奪戦をしていた。夜中4時頃に不動尊から袋を出し、山門をくぐり前の川までもみ合った。不動尊堂内に、争奪戦証拠の木札(取り主、参加者氏名)が掲示されている。」
その中断していた袋ねじりは、平成26年の不動尊鎮座120年を記念して復活した。
ということで、次の画像と動画は平成22年に訪問した際のもので、この頃は別当・鬼子登りの行列が不動堂前のヒタキの廻りをまわって不動堂で御祈祷を行うというものでした。
堂内での護摩祈祷では、身近に持っているものを護摩壇で清めてもらうこともあり、沢山の人が詰めかけます。
そして、皆が口々に蘇民袋争奪戦の復活を望んでいるという話をしていたのが記憶にあります。
氏子のみなさんや、岩手の蘇民祭保存会の皆さんの熱意で復活したのは実に意義深いものがあります。
動画でどうぞ
