岳神楽「女五穀舞」@2016中尊寺神楽奉納
さて本日は、平成28年9月24日に平泉中尊寺で行われた世界無形文化遺産 みちのくの神楽奉演から岳神楽の女五穀舞について。
天照五穀舞は通称「女五穀」といい、天熊人が激しく舞う「五穀舞(男五穀)」の裏舞に位置づけられています。
そして、荒舞としての表五穀に対して非常に優雅で妖艷な趣を持つ舞の手が綴られているのがこの天照五穀舞です。
冒頭の幕出しから後ろ姿で出た天照皇大神が両手を片袖に通して、袖を折敷の如く拝して舞う様は早池峰神楽の女舞では最高の技と言えるのではないかと思われます。
ところで、表舞の男五穀と裏舞の女五穀では登場する神々はほぼ同じですが、順番が異なるため幕出しも対照的です。
男五穀 〽 サンヤー いづくさの おおさんや (天熊人の出)
〽 ヨーホー 天照らす (布刀玉命の出)
女五穀 〽 ヨーホー 天照らす (天照大神の出)
〽 センヤーハー いづくさの (布刀玉命の出)
天照皇大神は月読命に五穀の種を探しに豊葦原の中つ国へ参れと命じますが、月読命は保食神を害します。
次に遣わされた天熊人が、保食神の死骸から五穀の種を見つけ出し、天照皇大神に奉じます。
以来、豊葦原瑞穂の国では五穀が連綿として豊穣なれることを寿ぎ、千代の御神楽で舞納めます。
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