早池峰大償流土沢神楽「苧環」@2013花巻市東和町鏑八幡神社
さて本日は、平成25年2月11日に花巻市東和町鏑八幡神社社務所にて行われた新春舞い初めから苧環(おだまき)についてです。
山伏神楽の苧環について森口多里は岩手の民俗芸能山伏神楽編において、神楽能の男女執念物のひとつとしている。
男女執念物とは男女の愛情から燃え立った執念(P96)と定義づけ、その部類に当たる演目として「鐘巻」「蕨折」「橋かけ」「苧環」「機織」があり、大償神楽では「年寿」「潮汲み」「天女」「木曽」もこれにあたるとしている。
苧環の演目の内容は、夜な夜な若い娘に見目よき男が通い来て、ともに夫婦の契を交わし娘が身ごもったのを不審に思った姥が知恵を授けて相手の本性を確かめよと諭します。娘が見た男の正体とはという物語で、森口多里は三輪大神の神話とも通じる舞曲としています。
ところで、土沢神楽の蛇神の面ですが、蛇というより龍面とでもいえるような大変迫力のある面です。
この面つけて客席中を駆け巡ったら小さい子たちはひきつけ起こしそうですね。
娘に纏わり付く蛇神に白い布を付けて舞う所作は、男の裾に苧環の針を縫い付けてその後を追う様を表現している。
かくて、蛇神が幕内に入ると、娘は扇で一舞し、嘆きつつ舞い納める。
〽 あらうらめしの忍びつま あらなつかしの我がつまや
契りし姿をあらわして 語りたまへや我がつまや
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