清水田神楽「松浦長者 姫買いの場」@2011第31回尾松地区鑑賞会
さて本日は平成23年2月6日に行われました第31回尾松地区鑑賞会から清水田神楽で松浦長者 姫買いの場です。
その前に清水田神楽の由来について
「明治中期、岩手県西磐井郡赤荻村笹谷の南部神楽流笹谷神楽の指導を受け、鈴木幸助らが清水神楽を創設した。
その後中断していたが当時神楽の舞手であった千葉春雄が師匠となり、若い人達に指導をし、昭和四七年正月再興し今日に至っている。」
ということです。現在の代表者は宮崎正喜さんです。
松浦長者姫買いの場は竹生島弁財天の縁起「小夜比売草紙」を底本として南部神楽の台本が書かれたものと思われる。松浦長者は謡曲「松浦鏡」や滝沢馬琴の草子「松浦佐用媛石魂録」等にも物語られ、東北地方へは説経節や奥浄瑠璃にと引き継がれて南部神楽へと続いている。
そして、南部神楽では胆沢の掃部長者の話の続きとして、三沢御前が化身した大蛇に身御供になりそうになった郡司兵衛義実が、娘を助けたくて身代わりに娘を探しに行く場面から始まる。
奥州下胆沢の郡司兵衛義実は身代わりの姫を買いに都へ着き、春日大明神に祈祷すると肥前の国松浦の庄に松浦の小夜姫という娘がいると託宣を受ける。
義実が松浦の里に着くと、小夜姫に会い、汝を我が世継ぎとすべく買い請けにきたと騙します。
「金三千両で買い受けたり」・・・他の神楽団体では千五百両だったりするので、豪勢な義実さんだ。
小夜姫は我が身を売った金で亡父の追善供養をするために七日の暇を望み舞す。
義実は10日の暇を与えて待つことにします。
小夜姫は亡父の菩提を弔うため母のもとにやってきます。
小夜姫は母親に実は自分は身を売ったため遠国へと行かねばなりませんと告げます。
母は自分も一緒に連れていけといいますが、それはかなわないことです。
泣く泣く母は小夜姫に法華経を授けて別れるのでした。
(この法華経が後日、大蛇調伏に使われるのでしょう)
母子が別れをいとおしんでいると義実は、小夜姫に早く旅立てとせかせます。
〽 今日にて帰りてこんとは思えども 明日は何ず国の 土となるらん
この身 何ず国の土となるらん
義実 「これよりは 奥州胆沢の国めざして急ぐなり」
次の段では奥州への道行、そして高山々井の堤の大蛇退治へと続きます。
動画でどうぞ
