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2020.03.10 | Comments(0) | Trackback(0) | カテゴリ神楽

鵜鳥神楽「笠松山」@2020釜石箱崎白浜巡行

さて本日は、鵜鳥神楽の釜石箱崎白浜巡行から最後の演目、鬼神笠松山です。

笠松山を棲家とする鬼神が旅人をたぶらかして身ぐるみ剥ぎ取るという話ですが、九戸一戸の神楽にもこの演目が伝わっています。

江戸時代頃から「笠松峠鬼神のお松」として歌舞伎や講談などにも取り入れるて人気を博したが、出自は門付け芸のちょぼくれではないかという説もある。

鵜鳥神楽や黒森神楽では仕組の演目としてこの笠松山が位置づけられている。

幕出し 〽 センヤハー さむらいのー

        ようよう急ぎゆく人に ようよう急ぎゆく人に 笠松山にと着きにけり



津軽の家臣那智梅弾正四郎三郎が、江戸へ主人のご用で行く途中、笠松山にさしかかる。

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そこへ美貌の女盗鬼神のお松が、隙きあらば金目の物を持ち合わせた旅人を待ち受けていた。

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侍の姿を見た鬼神のお松が一計を案じ、持病の頼をおこしたふりをする。
四郎三郎は、いったんは「この深夜、山中に女一人居るはずがない。定めし迷い変幻の者にてあるか」と疑うのだが、女は「この山里山子が娘」であるが、嫁に行っても病気持ちでつとまらず帰ってくる途中だといいくるめる。

四郎三郎は道案内を頼んで川を渡ろうとするのだが、こんどはその女がてんかんだと仮病をつかっておぶさる。
刀に足をかけるのは失礼だからと刀をあずかり、隙きを見て三郎四郎を斬り殺して身ぐるみ盗んで去る。

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年を経て、こんどは、四郎三郎の息子、千太郎の登場である。
やはり、お松が娘の姿で出て癪で困っているという。
案内を頼むのだが、川を渡るときに、てんかんだからおぶってくれというのを、「オー、侍として女を身につけるのはけがらわしい。ならぬ、ならぬ」とことわる。

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お松の手を引いて渡ることになるのだが、 千太郎は、「これ、女。なぜ深瀬を浅瀬、浅瀬を深瀬と偽った。わが父を手にかけた鬼人のお松に相違ない」と気づく。

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お松も本性を現して、千太郎とお松の斬り合いになる。
そこへ四郎三郎の亡者が出て息子の千太郎に加勢してお松を退治する。
お松は「神の罰やら、仏の罰やら、かなわぬ」と逃げだす。

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四郎三郎の亡者も退場。
千太郎はさらにお松の七十五人の手下をも退治せんと勇ましく一踊りして幕入りする。

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以上で幕上げとなりました。

ところで、この神楽宿佐々木家を訪問したのは2013年2月24日でした。
震災で祭りや芸能の行われる場が少なくなっていた中で、白浜集落に元気を取り戻そうと奈奈子祭が行われた。

あれから7年、鵜住居、箱崎地区も住宅や道路の整備が進んで来ています。
少子高齢化や人口減少の問題もありますが、日常が当たり前にある毎日が取り戻せるよう願います。

明日は東日本大震災から9年目 祈りの日がまたくる。

20200229170034IMG_8521.jpg

動画でどうぞ

テーマ:伝統芸能 - ジャンル:学問・文化・芸術

2020.03.10 |

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Author:祭りの追っかけ
祭・・・それは祈り、畏れ、そして縋り付くばかりの信仰、神人共生の歓びの象徴。さて、明日のエネルギーの糧を求めに彷徨おう。

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