川内神楽「葛の葉子別れ」@2020前沢郷土芸能祭
さて本日は、前沢郷土芸能祭から川内神楽で葛の葉子別れです。
その前に、川内神楽さんの由来について
「川内神楽は古い歴史を持ち、今より二○○年前川内要害の利平他数名が、西磐井郡厳美村山谷神楽より政吉師匠を招き指導を受けたのが始まりである。
明治末期に至り神楽は各地に盛んになったので、他に負けないようにと再び三輪流山谷神楽より師匠を招き、振り付けを学んだ。
大正五年、西磐井郡平泉戸河内神楽に、また大正一○年頃、胆沢郡前沢町白鳥神楽を指導し組織した。
初代庭元高橋利平、二代利右エ門、三代七右エ門、四代菅原熊太郎、現在の庭元菅原宏は一二代目である。
昭和五三年三月二五日、衣川村より無形文化財の指定を受けた。」
とあり、現在も代表は菅原宏さんです。
葛の葉子別れは、安倍保名が命を助けた狐と結ばれて、童子丸をもうけるところから始まります。
ある日、葛の葉は陽気にうとうとし童子丸に狐の姿を見られ、添われぬ身なればやむなく表の障子に一首の和歌を書き残し、子供の養育を保名に託し童子丸を捨て信田の森に帰る決心をします。
心残りがある葛の葉は、保名に自分の居所を残しますが、ここで障子に筆で字を書く場面がこの演目の見せ場となっています。
右手ばかりでなく、左手で書いたり、「裏文字」という左右逆の文字を書いたり、最後には筆を口に咥えての妙芸を披露します。
「恋しく波 尋ねきて見よ 和泉なる 信田の森の 浦見葛の葉」
葛の葉が去った後に帰ってきた保名は、葛の葉の書き置きを読んで童子丸の行く末を案じ、信田の森へと尋ね行きます。
保名の前に一匹の白狐が出てくると、見覚えのある姿にもしや葛の葉では、ならば人間の姿に戻ってこの子に乳を与えよと頼みます
しかし、葛の葉は保名に童子丸をせめて十歳までも育てよと請われますが、我が身は狐なれば叶うまじと断ります。
その代わりに、童子丸が賢く育つようにと宝珠を授けて去っていきます。
動画でどうぞ
