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2019.08.30 | Comments(0) | Trackback(0) | カテゴリシシ踊り

二升石黒森流鹿踊附森山流大念佛@第53回岩泉町郷土芸能祭

さて本日は、第53回岩泉町郷土芸能祭から二升石黒森流鹿踊附森山流大念佛です。

由来について当日パンフレットより

「代々頭取り及び太夫の口伝えによるもので、創始期の確たる文献、記録はない。
この口伝えによると、鹿踊は現在の宮古市黒森山から、大念佛は岩泉町森山から伝えられたと云われている。
第九代太夫故有原永治氏(大正11年就任)後の昭和初期と満州事変から太平洋戦争の間に、伝承活動は中断された。
昭和23年部落有志の熱意によつて再興され、第十代太夫故三上慶次郎氏が就任した。
第十一代太夫故有原定雄氏に引き継がれたが、社会が高度経済成長期に入り人手不足になり中断されていた。



平成5年故有原正一氏、故有原定雄氏、故大沢口幸次郎氏の3人の指導により45年ぶりに復活し、現在は太夫に村上好孝氏が就任し、熱心な伝承活動が続けられている。
踊りには、幕舞(鹿頭付)、尻皮、さい幣を用いた鹿踊と、鳥、尻皮、さい幣を用いた大念佛があり、演目別に従い扇子或いはその他の道具を持つて踊る。」

ということです。現在の保存会代表者は有原好さんです。

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二升石鹿踊ですが、本名(?)は非常に長いですね。
前半部分は黒森流とする鹿踊で、後半は森山流大念佛ということです。

太鼓や笛の調子は宮古市川井地方から伝承されていることがよくわかりますが、途中からテンポが早くなり、かつ黒森神楽っぽい囃子になるので、そのへんも黒森流なのかと合点する次第。

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鹿頭の建物(頭頂部分の飾り)にも特徴があります。

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八頭の鹿が一踊りすると突然鉄砲の音が響いて鹿たちが倒れます。いわゆる鉄砲踊りです。

そこへマタギが登場。ここから狂言仕立ての即興芸が始まります。

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自分が仕留めた鹿を場内の観客を呼び出して売りつけます。
この辺のやり取りは神楽の恵比寿舞のいさば屋狂言に似ています。
ともあれ場内は大爆笑とあいなります。

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商売に満足してマタギが帰ると、太夫鹿が最初に立ち上がり、徐々に他の鹿たちも起き上がって喜びの踊りとあいなります。

20190818124848IMG_2884.jpg

最後は道化(マタギ)も一緒になって礼踊り。
いつかは大念佛も見たいものです。

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動画でどうぞ

テーマ:伝統芸能 - ジャンル:学問・文化・芸術

2019.08.30 |

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Author:祭りの追っかけ
祭・・・それは祈り、畏れ、そして縋り付くばかりの信仰、神人共生の歓びの象徴。さて、明日のエネルギーの糧を求めに彷徨おう。

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