中野七頭舞@第53回岩泉町郷土芸能祭
さて本日は、第53回岩泉町郷土芸能祭から中野七頭舞です。
由来について当日パンフレットより
「中野七頭舞は、岩泉町中野地区に伝わる芸能で、発端は天保時代にさかのぼるといわれています。当時、神楽太夫と呼ばれた工藤喜太郎が、神楽舞の一部で(シットギジシ)という舞込みを基本に創始したといわれています。
演舞する人数は、2人1組の7組で、「先打ち」「谷地払い」「ナギナタ」「太刀」「キネ」「小鳥」「ササラスリ」の7種類に分類されております。
舞の種類も「道具取り」「横跳ね」「チラシ」「戦い」「ツットウツ」「三足(鳥居掛かり)」
「道具納め」の7つに分かれており、ここからも七頭舞の意味がうかがわれます。
当初は神楽で踊られていたのですが、時代と共に変わり部落の祭典に奉納されるようになりました。五穀豊穣家内安全大漁を祈願して踊る中野七頭舞は、勇壮で活発な舞であります。
又、舞う人達は、原野を開拓するため、汗を流しながら力いつぱい労働に励み、すばらしい田畑を作り、今年も豊作で皆さんと共に喜びをわかちあうという一連の流れを想いながら、力強くそしてしなやかに踊ります。」
ということですが現在の保存会長さんは佐々木隆幸さん そして世話人が阿部一雄さんです。
中野七頭舞は岩泉町の海岸部の小本地区で伝承されています。
今更紹介する必要もないほど全国区の民俗芸能ではありますが、先の東日本大震災では会員の皆さんの家が流され、個人持ちの衣装も流出し、その後全国からの支援などを受けながら地域再生の情熱を傾けて保存会の皆さんが頑張って続けて来た次第。
先打ちは、七頭舞のリーダー格、開拓の先立ちという意味の他に、悪魔降伏、祖霊鎮魂の意味合いも感じます。
最後尾を飾るササラスリは、開拓の労働をなぐさめ、疲れを取り除き、更に次の仕事に対して新たな気持ちを持たせるべく、こっけいに踊るとされるが、道化の楽しさとともに舞の華やかさが身上。
震災前も全国的に名声をはせていた中野七頭舞さんですが、震災後も様々な場所での上演招請に応えながら、岩泉町の情報発信をも担ってきました。
これからも地域の絆の象徴として続いていくことと思います。
動画でどうぞ
