江島法印神楽「魔王攻」@第42回石巻地方神楽大会
さて本日は、第42回石巻地方神楽大会から江島法印神楽で魔王攻です。
江島は女川町の東南に位置する離島で、鎌倉時代に日詰氏が拠点としていたことが史上にあがり、独特の文化風習を築いてきた。
江島法印神楽さんの由来について宮城県の民俗芸能1より
「大正8年に登米郡豊里町上町法印神楽の阿部善太郎師たちが江ノ島に渡り、泊まりがけで法印神楽を伝授し、その折りの神楽本も残っている。のち昭和37年ころ桃生町寺崎法印神楽からも取得したという。やはり奏楽や舞型など桃生神楽の芸風が濃い。いまは舞台飾りも省略されているが、この島の習俗としての「オポンレイ」と呼ぶ梵天が舞台のそばに揃べて飾られ独特の趣がある。「オボンレイ」は古い紙幣に毎年新しい四垂を切って重ねられていて、古いものは約150年以上も前のものがあるという。
仮面は30面がある。昭和末期には15,6人もいた保存会員も地元6人と減ったが、島出身の長男たちで現在島外で働いている若い人たち5人を育成していて、将来島に戻るというので後継に望みを掛けている。
毎年5月5日の久須師神社の祭礼に、神楽を行うほか女川港まつりなどにも出演している。新宅振舞とか船玉祭に招かれ、浜の大漁祈願に「西の宮」(姪児)が演じられる。」
ということです。現在の代表者は木村悦雄さんです。
演目の魔王攻とは、魔王神璽のことで、魔王責とか魔王退治などとも称されています。
高天原を追放された素戔嗚尊が諸国を巡りながら人間に害をなす魔王(魔神)を退治して善神になっていく物語です。
最初に知驚が出て、神諷を唱えて事の次第を説明します。
「魔民来たって種々の災いをなす。如何に素戔嗚尊退治したまえやのう」
と、そこで太鼓の拍子が盆踊り風になり、二匹の魔民(道化)が出て会場を沸かせます。
おまけにお菓子を蒔いてサービス精神たっぷりでした。
そこへ、知驚の呼びかけに応じて素戔嗚尊が現れ、鬼退治となります。
素戔嗚尊が鬼を一匹ずつ退散させ、最後に残った魔王に一喝します
〽 この国は神国なり。幾度来たって妨げをなすとも我またかくの如く。よって再び来たって害を為さずと汝ら一々手形を出せ。然らば六天に返すべし。如何に如何に!
魔王は堪らず 「御赦免 御赦免 然らば手形を差し上げん」と手形を残して逃げ去ります
動画でどうぞ
