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2019.07.05 | Comments(0) | Trackback(0) | カテゴリ神楽

東北まぐら神楽「石童丸父を尋ねて高野山」@第32回あやめ祭り神楽大会

さて本日からは、第32回あやめ祭り神楽大会のリポートとなります。
会場はいつもの栗原市一迫町の一迫ゆり園内にある特設会場です。
この日は最初から最後まで雨降りで、あやめには相応しいのですが、動画や写真に雨が写り込んでしまうのが残念ではありましたが。

さて、トップバッターは東北まぐら神楽で石童丸父を尋ねて高野山です。

その前に東北まぐらさんの由来について

「平成17年に栗原の神楽好きの仲間が集まって自由闊達に神楽を演じる神楽チームとして結成したのが東北まぐら神楽です。会の名称を決めるにあたっては、会員全員で相談して、風変わりでも覚えてもらいやすい名前ということで「東北まぐら神楽会」と名づけました。」
ということです。結成後の日は浅いですが実力派揃いです。

現在の代表は菅原清志さんです。

胴は菅原信二さんです。



演目の石童丸は、萱堂聖と呼ばれる高野山の一派が布教や勧進のために伝えた苅萱道心と石童丸の物語は、謡曲「苅萱」、説教節「かるかや」、浄瑠璃「苅萱桑門筑紫車榮(かるかやどうしんちくしのいえずと)」をはじめ、琵琶語り、浪花節、盆踊りの口説き唄としても語られ、全国的に流布したということです。

話の内容は、九州の刈萱荘に加藤左衛門尉という長者が住んでいたが、ある日、本妻と千里御前という側室の異様な姿を垣間見て、世を儚んで高野山に出家します。
後にその子の石童丸が母千里御前とともに父を訪ねて東国をさして旅に出ます。

石童丸です

20190630212720_DSC2667.jpg

その母、千里の前です。

20190630212806_DSC2672.jpg

母子は高野山の麓に着きますが、高野山は女人禁制のため母千里は山に登ることができず、石童丸ひとりで父を尋ねて高野山に登ります。

そこで一人の僧侶と出会い、父ではありませんかと石童丸が問いますが、苅萱道心は修業の身で親子の名乗りをあげることができないため、心が乱れます。

20190630214838_DSC2678.jpg

そこで、我は亡き苅萱道心の知り合いなので、我を父親と思って慕いなさいと石童丸に説きます。

20190630215216_DSC2680.jpg

石童丸は回向して下山せよと告げらて一心に念仏を唱えて下山し母のもとへ帰ります。

20190630215340_DSC2682.jpg

あとに残った苅萱道心は親子の縁は切らねども、仏道に入った身なれば、親子の情愛で修行苅萱道心が心情を歌に託します。

〽 遠くの美山で啼く雉の 親は子知らず 子は親知らず 
   いとしい我が子を前にして
    名乗れぬ父の悲しさよ

20190630220032_DSC2683.jpg

動画でどうぞ


テーマ:伝統芸能 - ジャンル:学問・文化・芸術

2019.07.05 |

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Author:祭りの追っかけ
祭・・・それは祈り、畏れ、そして縋り付くばかりの信仰、神人共生の歓びの象徴。さて、明日のエネルギーの糧を求めに彷徨おう。

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