和田神楽「五大領の舞」@第35回江刺神楽大会
さて本日は、第35回江刺神楽大会から小川原流和田神楽で五大領の舞です。
和田神楽さんの由来については定本より
「昭和七年、江刺郡田原村小田代、川内神楽の師匠菊地庄右エ門師匠他六名の師匠の指導にて、和田神楽を創設した。
二代庭元及川弘二、三代及川喜三郎、四代菊地輝雄、五代菅原真悦、佐藤卯三郎は六代目である。
昭和五六年、和田神楽創立五○周年記念式典を行っている。」
とありますが、現在の代表は佐藤隆司さんです。そして、和田神楽は小川原流和田神楽と称していますが、この小川原流というのは元になった瀬台野神楽の明治初年代の神楽師匠である小河原房松からとったものという。
さて、演目の五体領の舞は土用の由来を説いた物語で、五大領とも所望分等とも呼ばれて多くの神楽団体で演ぜられています。
あらすじを当日の和田神楽さんのページから引用
「天神七代の昔、五体の神の領日争いの舞です。春の神「天相の命」、夏の神「天の三家の命」、秋の神「天八百日の命」、冬の神「天人家命」がそれぞれ90日ずつ領しておりましたが、その後から生まれた「天八十萬玉命が自分にも四季を分け与えて下さいと御願いしましたが、四季の神達に断られて争いとなります。これを見た「天御中主命」が仲裁に入り、四季90日から18日分を四土用として天八十萬玉命に分け与え、それぞれ72日を司ることで、問題が円満に解決してお互いに喜び合う舞です。」
とあります。五行思想によるものですが、神楽の流派によって神々の名が異なるのが興味深いです。
幕出し歌 〽 五大領神の すうしゃを呼ぶべし 五大領神の すうしゃを呼ぶべし
四方切りをしながら天八十萬玉命が舞い出ます。山の端舞です。
五行思想を説く神楽ですので、神々の面の色も五行色を基本としています。
春の色 緑の面をつけた神が天八十萬玉命の申し入れに対して断りの言い立てをします
おう 我が社は上神、水神二柱の命の姓、天相命なり
天にありては源気気徳の神、地にありては三少源気水徳神、人にありては寒水源冷の神にして、
春を司る神なれば もって分け与えること叶えがたしやのう
続いて南方の神
西方の神
北方の神
天八十萬玉命と四季分けについて問答の後、交渉が決裂して戦いになります。
ところで、この演目は法印神楽では盤午あるいは所望分、山伏神楽にあっては五大龍王などという名称で伝えられている。
ともに筋立ては似通っているが、ばんご大王とその4人の王子、1人の姫の領土争いも組み入れられているところもある。
閑話休題
争っているところへ、天之御中主神が現れ、四季の間に18日ずつの土用を入れることで収めます。
めでたく解決したところで千代の御神楽、崩し舞で舞い納めます。
動画でどうぞ
