和田神楽「寄せ太鼓~御神楽」@第35回江刺神楽大会
さて本日からは、第35回江刺神楽大会のリポートとなります。トップバッターは和田神楽で寄せ太鼓~御神楽です。
さて、本日からは奥州市江刺区で開催されました第33回江刺神楽大会の模様を順次リポートします。
江刺の神楽大会は、伊達藩と南部藩の境目にあるだけに、同じ神楽といっても山伏神楽と南部神楽の両方が一度に楽しめる稀有な神楽大会となっております。
ということで、この日の最初は神楽上演を告げる寄せ太鼓と、それに続く式舞の最初の演目である御神楽を江刺区玉里の和田神楽さんが務めました。
和田神楽さんの由来については定本より
「昭和七年、江刺郡田原村小田代、川内神楽の師匠菊地庄右エ門師匠他六名の師匠の指導にて、和田神楽を創設した。
二代庭元及川弘二、三代及川喜三郎、四代菊地輝雄、五代菅原真悦、佐藤卯三郎は六代目である。
昭和五六年、和田神楽創立五○周年記念式典を行っている。」
とありますが、現在の代表は佐藤隆司さんです。そして、和田神楽は小川原流和田神楽と称していますが、この小川原流というのは元になった瀬台野神楽の明治初年代の神楽師匠である小河原房松からとったものという。
続いて、式舞の最初の演目 御神楽です。
南部神楽全体では通常ここの演目は鶏舞としている団体が多い訳ですが、胆沢地方では御神楽としていて、四人舞となっています。
御神楽と鶏舞は厳密には違う演目ですが、山伏神楽系統の神楽では曖昧になっている面もあり、早池峰神楽系統の鶏舞は二人舞が主となっていますが、一関以南の南部神楽団体では圧倒的に四人で舞う鶏舞が定着しています。
そちらこちらの神楽を見て歩くときにも、こんな所に気をつけて観るとおもしろいかもしれません。
和田神楽の流派は瀬台野神楽系統ですが、この瀬台野神楽の御神楽には独特の所作があり、後半の崩し舞部分では法印神楽の島廻りなどの足次を踏襲しながらも、岩手山周辺の山伏神楽の手次を取り入れている感じがします。実に複雑な舞の手を集大成したのが瀬台野神楽といえるかもしれません。
動画でどうぞ
