長下田神楽「豊里舞(翁舞)」@第15回神楽共演石越大会
さて本日からは、第15回神楽共演石越大会のリポートとなります。
トップバッターは長下田神楽で豊里舞(翁舞)です。
いわゆる競技会形式の大会ではなく、様々な制約なしに神楽本来の上演を目的として始まったこの神楽大会も15回目を数えることになったということです。
神楽の最初には寄せ太鼓に続いて神降ろしを行うのも特徴。
今回の担当は登米市の長下田神楽です。
神降ろしは通常太鼓の奏楽で行うもので、法印神楽では奏楽に続いて舞台加持として神官と神楽衆が舞台上で拝礼するものです。
さらに、神降ろしでの舞を豊里舞としていますが、内容は翁舞となっています。
南部神楽に翁舞がしっかりと残っているのは重要なことですので、これからも本来の位置づけで続けて行ってほしいです。
ちなみに翁舞の詞章を確認したいと思います。
〽 応 さて天竺の はつだい川の池の亀
甲に千歳さんこおの 星の玉を戴いて まんごうをへるとかよ
さては今日の鶴 千万歳をいとうて
木は返りて萱となり 萱は返りては老いらくとなる
南に訪うとかの光りつつ
です。
山伏神楽(岳)の翁舞では
さて天竺の はつ代川の生ける亀
甲に千歳さんとおの星の山を戴いて まんごうをふるとかや
千萬歳をうとうて かの所へ参り 四つのお祝い申さんと
さて百歳は徳のさかり 黒髪は白髪となり 白髪は老いらくとなり
老いらくは きにかえるとかや
春咲きそめし花の色 秋は実なりて冬までも 実はおぢぢとかの光りつる
〽 諸神諸仏 七世の孫におふたるためしの目出度さよ
翁舞は山伏神楽でも番楽でも同様ですが、異なる点は番楽では四方の浄土に対して祈祷することです。
この点に関して言えば、長下田神楽の翁舞の詞章に「南に訪うとかの光りつつ」とあるのは非常に興味深いです。
動画でどうぞ
