本吉法印神楽「五矢」@釣石神社春祭 石巻市北上町
さて本日は、釣石神社春祭 石巻市北上町から本吉法印神楽で五矢です。
当初のプログラムには無かった演目ですが、時間に余裕があるということで、追加上演となりました。
五矢とは蘇民将来譚です。
高天原を追われた素戔嗚尊が空腹のため民家に食を乞うたところ、裕福な巨旦の家では断られたが、貧しい蘇民の家では粗末ながらも食を得ることができたため、その家に善き教えを与えたということです。
素戔嗚尊が出て四方拝以下を舞い神諷
〽 謹上再拝再拝かけまくも畏き 我が国初めて後 二柱の御神 国津主と産まんとて一女三男を生み給う 三男目の素戔嗚尊これなり
次に臣下の今貞が扇と弓矢を持って素戔嗚尊の前に出ます
一舞して今貞が神談記
再拝再拝と敬って申す。夫、我が君素戔鳴 の臣に今貞とは自らのことなり。
夫、我が君は、神御代より以来、根の国、他国まで久しく経歴座けるに、
ある時,日暮れて巨且に宿を乞わせ給えば、不仁にして宿貨し奉らず。
蘇民は貧しけれども宿貸し奉る。粟殼を敷き粟の飯を奉れば、天王大いに喜び種々の教えをなし給う。
蘇民将来門戸と書き門に立て置けば疫癘の難をのがるべし。
また境を越さんと思わば、榊に垂を掛け道饗して送るべし。
又,六月に至って青馬をつくり田畠に繋ぎ置けば、天王乗り回って作物の種毒を祓い給う。
今の御代まで伝え来った神代の故事なり
今貞より天王に五本の矢が渡され、天王は四方と天に向けて矢を射る。
射られた矢は舞台下で待ち構えた観衆が拾う。家に持ち帰って守りとするという。
矢を射終えると今貞が天王を労って神酒を献じる
〽 龍宮の 中の瓶なる辛神酒 燗試みて君に参らす
西の海 その浦々の喜昆布 汐試みて君に参らす
この弓矢 何その弓矢と人問わば 悪魔を祓う桑の弓と矢
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