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2019.05.05 | Comments(0) | Trackback(0) | カテゴリ神楽

本郷神楽「竹生島下座の部」@第49回岩手県南宮城県北神楽大会

さて本日は、第49回岩手県南宮城県北神楽大会から本郷神楽で竹生島下座の部です。

その前に、本郷神楽の由来について、阿部正瑩著「南部神楽系譜調査報告書」から

「藤沢本郷には、古くから法印神楽が伝えられて来た。 明治一五年、浜横沢の加藤勇八が、西磐井郡厳美村の三輪流瑞山神楽を学び、保呂羽神楽を創設した。加藤勇八の弟子の佐藤留五郎は神楽に精進し、舞もすばらしく神楽の師匠となった。
 大正二年、村社葉山神社の世話係の小野寺馬吉が世話人となり、佐藤留五郎を神楽の師匠として迎え、畠山一男、熊谷八重治、千葉三郎、熊谷新吉等が舞手となり、葉山神社の代々神楽として、本郷神楽が復活された。
 本郷神楽は、法印神楽の系統を生かし、サンヤ舞とも言われる山神舞、荒神、水神、明神、流転、天下り、八幡舞の七つの荒舞をも残している。 云々とある。」

ということです。庭元歴代は佐藤留五郎、畠山一男、熊谷八重治、畠山春男、熊谷功、佐藤賢吉となっています。



さて、演目の竹生島下座の部ですが、竹生島とは近江の国琵琶湖を舞台とした竹生島弁財天の縁起「小夜比売草紙」等を底本にして書かれた物語のことです。
南部神楽では、奥州胆沢の高山掃部長者の妻三沢御前が大蛇となって身御供として若い娘を取った話となっています。
高山掃部長者は大変長編の中身となっていますが、この竹生島下座の部はその一部です。

ちなみに小夜姫草紙の内容は次のとおり

「小夜姫は奈良の松浦谷壺坂の、松浦長者の娘で、亡くなった父の十三回忌を弔らうお金が欲しいと春日明神に参拝し、大蛇への人身御供の身代わりを探している、里長権賀の大夫に巡り会って身を売り、奥州白河の安達の郡まで連れて行かれます。大蛇は、伊勢の二見ヶ浦の生まれで、橋の人柱になった怨みから龍女となってしまった少女で、小夜姫が法華経の経典で頭を撫でると少女の姿に戻り、感謝して、小夜姫を生国の猿沢の池まで送り、龍の宝珠をくれました。小夜姫はその宝珠で長者となり、不老不死となって、後々は志賀の竹生島弁才天として祀られた」

奥浄瑠を源流とした南部神楽の小夜姫物語は、物語の舞台である胆沢地方から磐井地方まで広く演じられるようになりました。

閑話休題 

母から受けた法華経位で大蛇を退治した小夜姫が母を探して故郷に帰るも、館にその姿が見えないことを儚んで自害しようとします。

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そこへ羽世観世音が現れて押し止め、母は無事で難波にいることを告げます。

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小夜姫の母は、娘が大蛇の身御供となったことを嘆き、盲目となりやせ細っていました。

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小夜姫と再開した母親の目は羽世観世音の御法便により開眼し、娘小夜姫の姿を見ることができました。

本郷神楽「竹生島下座の部」@第49回岩手県南宮城県北神楽大会_00_21_29_04_22

動画でどうぞ

テーマ:伝統芸能 - ジャンル:学問・文化・芸術

2019.05.05 |

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Author:祭りの追っかけ
祭・・・それは祈り、畏れ、そして縋り付くばかりの信仰、神人共生の歓びの象徴。さて、明日のエネルギーの糧を求めに彷徨おう。

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