釜石高等学校「南部藩の虎舞の起源を探る」@第9回全国虎舞フェスティバル
さて本日からは、去る2月10日に釜石市民文化会館で開催された第9回全国虎舞フェスティバルのリポートとなります。
会場の釜石市民会館(愛称 TETTO てっと)は、元の建物が東日本大震災による津波で被災したため2015年3月に解体し、2018年4月に移転新築オープンとなったものです。
市民の文化の砦としてまさに復興の象徴としての意味もあります。
私も旧文化会館には沢山の思い出がありましたので、真新しく現代的な設計のTETTOは感慨深いものがあります。
ということで、今回の虎舞フェスティバルのオープニングは県立釜石高等学校のSSH地歴公民ゼミの研究発表でした。
テーマは「南部藩の虎舞の起源を探る」~虎舞はどこで生まれ、どのように広まって行ったのか~です。
釜石高等学校のSSH地歴公民(高橋ゼミ)は、2018年11月17日に行われた「第12回 全国高校生歴史フォーラム」で知事賞に輝きました。
この日はその凱旋発表も兼ねて、虎舞フェスティバルに相応しく虎舞研究の成果発表ということとなりました。
当日パンフレットより
「岩手県立釜石高等学校 SSH地歴公民 高橋ゼミ県立釜石高等学校は、平成24年度から文部科学省のスーパーサイエンスハイ
スクール、いわゆるSSHの指定を受け、平成29年度には、33年度までを期間とする第2期として再指定されて、これまでゼミなどの活動を行ってきました。
その活動の一つ、地歴公民・高橋ゼミでは「南部藩の虎舞の起源を探る」~虎舞はどこで生まれ、どのように広まって行ったのか~というテーマで研究し、昨年奈良県の奈良大学で行われた「第12回全国高校生歴史フォーラム」において発表しました。
その結果、参加した45校73編の中から優秀校の5校のうちの1校に選出され、さらに、歴史分野では実質的に優勝校と言っても良い知事賞を獲得しました。」
地元釜石市民には馴染みがあり過ぎて気が付かなかった「釜石に虎は居なかったはずなのに虎の生態を真似ることができたのはなぜ?」という着目がスタートとなってルーツ探しが始まったようです。高校生ならではの発想が光ります。
さらに、三陸沿岸の虎舞には大きく分けて2つの流派的な流れがあり、それぞれに遠州地方との交流から伝承されてきたことをつきとめます。
そして、慶長の大津波と、平成の東日本大震災とに共通する「芸能による復興」に結びつけていることに感銘を受けます。
間もなく元号が平成から令和へと移り変わっていきますが、風化させてはならないこと。無くしてはならないことを若い人たちも考えていることが心強いと感じた次第です。
動画でどうぞ
