小田代神楽「三番叟と荒調子」@第12回祀りの賑わい
さて本日からは、小田代神楽さん恒例のイベント、第12回祀りの賑わいのリポートとなります。
最初は三番叟と荒調子です。
その前に、小田代神楽さんの由来について定本より。
「明治二八年一○月、部落の氏神五十瀬神社に神楽を奉納するため、氏子総代の植田喜作が庭元となり、羽田の鴬沢神楽から師匠を招き指導を受け、小田代神楽を創設した。
初代庭元植田喜作、二代及川春治、三代及川清志四郎、四代~五代及川篤男である。」
とあります。初代の植田喜作が指導を受けたのは菅原金之丞とあるが、金之丞は千葉栄佐衛門とともに瀬台野神楽を立ち上げた人物であり、後年田原の蟹沢に婿入りして蟹沢神楽を創設し、周辺の地域にも神楽指導をした。
そして現在の第六代目庭元は及川章さんです。
この日は、瀬台野流の神楽では表舞とする三番叟と裏舞となる荒調子をこどもと大人で比較上演してくれました。
これによって両舞の内容が比較考証できます。
最初はこども神楽の三番叟 囃子方も子どもたちです
鶴殿 亀殿 歌ましあれば 幸い心にまかせたり
一渡りして胴取との掛け合いになります。
掛け合いの終盤で三番叟が
「我らが拍子と申するは、鹿嶋で習いしことなれば、鹿嶋拍子と申して上の拍子も八拍子、三島で習いしことなれば、三島拍子ともうして下の拍子も八拍子、おっとり合わせ 取り合わせて囃してたもれや胴取殿」
と問いかけると銅取が「それ程難しい拍子なら打つとも舞うとも勝手にしたまえ」と太鼓を転がして出す。
とここで道化が登場して真似三番叟をする。いわゆる追っかけサンバです。
次に大人たちによります三番叟の裏舞である荒調子舞です。
こちらの雲張りは
〽 よしがのに よしがのに 日は照るとも照るとも 常に絶えせぬ鳴る滝の水 鳴る滝の水
瀬台野流神楽では三番叟が二つあり、先の三番叟は胴取の歌が「マゴチョイと申す」なのでマゴチョイ舞と呼び、荒調子舞は「アラショウシと申す」なのでアラチョイ舞とも称するようです。
ともに国常立尊の舞で国土安泰、息災を祈祷する舞です。
表舞と裏舞があるということは、かつては昼夜に分けて神楽を演ずる機会があったということで、表舞式六番、裏舞式六番が伝えられている。
動画でどうぞ
