黒森神楽「大蛇退治」@大槌町吉里吉里巡行2019
さて本日は、黒森神楽の大槌町吉里吉里巡行からで大蛇退治です。
大蛇退治は役舞の位置づけとして神々の物語としていますが、何せ八岐大蛇が大活躍するだけに仕組っぽい楽しみもあります。
楽唱は 〽 ヒィーヤハー 天降る
ここで客席にいた老紳士が孫さんに「おっかねの出るがら隠れでろ!」と忠告したのには笑いましたが・・・
といったところで主役の素戔嗚尊が幕より出て武士舞
〽 これに天降りしは建速須佐之男命なり
これに清き川あり 不思議や 流れ来る椀と箸 この川上にかならず人里あるに相違なし
いざこれより訪ねみん
ここは斐之川上の里 年老いた足名椎と手名椎が娘の櫛名田姫を伴って出て嘆く
この山の腰に八岐大蛇とて住みおり 年ごとに来たりて我が娘をば取り食うなり
誰かこの所に強い方が現れて 我が身の力となってはくれまいか
と、素戔嗚尊に大蛇退治を頼みこむ
そこへ赤衣の大蛇が現れ
足名椎が用意した八塩折の酒を飲み干す
酒に酔ったところで素戔嗚尊が剣にて撃ちかけるが大蛇は客席に逃げ込み あれやこれやをする
ここからが佳境です
宿神楽の楽しさは、客席に乱入した舞手が様々にちょっかいを出したり、子どもたちを泣かせたり笑わせたりして、神楽の楽しさを皆で共有する空間にある。
さて、大蛇が舞の場に戻って素戔嗚尊との戦闘再開です
幕の影で大蛇面を動かして、それを素戔嗚尊が剣で切り落とす様式は南部神楽にも取り入れられている
〽 ズダズダに退治せしところ 何やら尾の穂先に手応えし物あり よおく改めて見ん
見れば一振りの宝剣出たり
ようくよく見奉ればきっさきにむらくもあり むらくもの剣にて相違あらん
これより姉命に奉り 今までのご勘当を許されよう
かくの如く退治いたしぞ これ喜べ喜べ
〽 八雲立つ 出雲八重垣妻ごめに
八重垣作る その八重垣を
めでたしめでたし
動画でどうぞ
