続々 神楽伝承本について考えるvol.3 大原神楽の「風流諸作 御神楽詠議本」
さて本日は大原神楽の「風流諸作 御神楽詠議本」から演目の続きで第二部についてです。
第二部は八幡舞から三番舞までが式舞のようです。
その後に岩戸開きから日の宮まで神代の物語となり、それから劇舞となって源平ものを中心に演じていたようです。
25番の根木切は蕨折のことで、南部神楽では是王とか税王などの題名で演じられ、やはり樵が道化で出てやり取りしていました。
27番の種蒔童子は法印神楽由来のものと思われます。
第二部
1 八幡舞
2 翁舞
3 三番舞
4 大磐扉
5 都入り
6 五大竜
7 三熊退治
8 八岐の大蛇
9 寶劍納
10 叢雲
11 岩長
12 中臣拂
13 大山祇
14 日の宮
15 山の神舞
16 五條の橋
17 牛若丸
18 熊山城
19 一の谷
20 小敦盛
21 屋島合戦
22 壇ノ浦
23 日光騒動
24 天降り
25 根木切り
26 西の宮
27 種蒔童子
28 高山身御供
ところで、演目を第一部と第二部に分けた理由について小坂盛雄さんは後記でこう説明している。
「(理由の)その1は、三番叟や岩戸開き等は二種類あり、これを一冊に続けることは困難だったこと。
その2は、当時の神楽は大抵一ヶ所に依頼されると二日間踊ることは通例であり、そのため舞はじめを二通りにしてあったことに起因する」ということです。
このことは早池峰系統や黒森系統の神楽が権現様を奉じて宿神楽をして回った形式と同じです。
ということで、当時の神楽上演の様子についてはまた明日ということにします。
今日の動画は川内神楽さんの小敦盛です。
動画でどうぞ
