小田代こども神楽「三番叟 道化付き」@奥州こども芸術発表会2019
さて本日からは、1月12日に奥州市文化会館で開催されました奥州こども芸術発表会のリポートとなります。
トップバッターは小田代こども神楽で三番叟で追っかけの道化付きです。
その前に、小田代神楽さんの由来について定本より。
「明治二八年一○月、部落の氏神五十瀬神社に神楽を奉納するため、氏子総代の植田喜作が庭元となり、羽田の鴬沢神楽から師匠を招き指導を受け、小田代神楽を創設した。
初代庭元植田喜作、二代及川春治、三代及川清志四郎、四代~五代及川篤男である。」
とあります。初代の植田喜作が指導を受けたのは菅原金之丞とあるが、金之丞は千葉栄佐衛門とともに瀬台野神楽を立ち上げた人物であり、後年田原の蟹沢に婿入りして蟹沢神楽を創設し、周辺の地域にも神楽指導をした。
そして現在の第六代目庭元は及川章さんです。
小田代神楽さんでは、特に子どもたちへの継承活動に力を入れていて、その成果が現れたこの日のステージとなりました。
さて三番叟です。
雲張りでの歌は
「よしがのに よしがのに 日は照るとも 常に絶えせぬ鳴る滝の水
鶴殿 亀殿 歌ましあれば 幸い心にまかせたり」
舞出てくるのは小学生の舞手、この日は追っかけの道化役とともに小学生コンビで頑張りました。
一渡りして胴取との掛け合いになります。
掛け合いの終盤で三番叟が
「我らが拍子と申するは、鹿嶋で習いしことなれば、鹿嶋拍子と申して上の拍子も八拍子、三島で習いしことなれば、三島拍子ともうして下の拍子も八拍子、おっとり合わせ 取り合わせて囃してたもれや胴取殿」
と問いかけると銅取が「それ程難しい拍子なら打つとも舞うとも勝手にしたまえ」と太鼓を転がして出す。
マゴチョイにのって三番叟が軽快に舞っていると、会場から道化が出てきます。
三番叟の道化は、三番叟自体が翁舞の白翁のモドキであるのに対して、さらにその三番叟のモドキであるということ。
三番叟のマネをしながらも面白おかしく舞うのが約目です。大人の場合はこの技は至高の神楽人のみ舞うことができるものという。
三番叟が幕に入ると残った真似三番叟が風呂敷包みから餅を取り出します。
この日は小田代神楽さんのはからいで場内に餅まきのサービスまでありました。
私も恩恵に預かり食しましたが柔らかくでおいしい福餅をいただき、今年一年の御利生を得ました。
動画でどうぞ
