気仙法印神楽「鬼門」@気仙民俗芸能祭「けせんのたから」
さて本日は、気仙民俗芸能祭「けせんのたから」から最後の演目である鬼門です。
この日は現在上演可能な全演目公演ということで6演目を演じましたが、冒頭の胴取の神楽歌はいずれも八雲立つで始まりました。
このことについて、菅江真澄の鄙廼一曲に「陸奥の國膽澤の郡神楽唄」には次の記述があります。
「優婆塞の神楽也。こは皆羽黒派の山伏集まりて舞う。重き神楽を大嘗という。きぬがさの下に在りて補任を開くなど、そのゆえことごとし。いづらもかぐらの庭にまづ八雲たつの神歌をうたい、しかるのちに唄うことなり」
これは胆沢郡の当時の様子を描写したものですが、胆沢地方にもかつて法印神楽が行われたことが伝書や古面が残されていることから証明されていますが、当時の法印神楽がこの気仙法印神楽からうかがい知ることができます。
さて、鬼門です。
鬼門は法印神楽では秘伝の演目とされているところが多く、大乗神楽では大乗会に限って演ずるものとされているようです。
綱切り舞とも呼ばれるこの鬼門は、本吉代々法印神楽の伝書には天王巨旦退治とあり、素戔嗚尊が諸国を巡って諸魔を退治したことを演じたものとしている。
鬼門とは、艮の方角をいい忌み嫌う方角であり、舞台に張られた綱は目に見えない鬼門の災いを表すという。
病門の方位の災いは五矢の舞で打ち払い、病門と相対する鬼門の方位はこの鬼門の舞で打ち払うということです。
一刀のもとに綱を切りますが、ということは真剣で舞っているということです。
最後は刀と鈴を持って太刀御神楽で舞い納めます。
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