和田神楽「権現舞」@第43回胆江神楽大会
さて本日は、第43回胆江神楽大会から最後の演目、和田神楽で権現舞です。
和田神楽さんの由来については定本より
「昭和七年、江刺郡田原村川内神楽の師匠菊地庄右エ門師匠他六名の師匠の指導にて、和田神楽を創設した。
二代庭元及川弘二、三代及川喜三郎、四代菊地輝雄、五代菅原真悦、佐藤卯三郎は六代目である。
昭和五六年、和田神楽創立五○周年記念式典を行っている。」
とありますが、現在の代表は佐藤隆司さんです。そして、和田神楽は小川原流和田神楽と称していますが、この小川原流というのは元になった瀬台野神楽の明治初年代の神楽師匠である小河原房松からとったものという。
権現様です。
瀬台野神楽が正月の悪魔祓いに使う権現様は赤面で幕は巻毛模様なので獅子舞の頭ですが、江刺の瀬台野系神楽団体の権現様は山伏神楽のものに似ています。やはり混交した経過が見て取れます。
ところで瀬台野系の権現舞は、先導役として猿田彦があり、それに権現持ちの二人と、太刀持ちという鎮め役がつくタイプです。
そして、早池峰系の権現舞のような下舞はないのですが、同じ瀬台野系でも江刺の団体ではなぜか下舞がつきます。
といっても早池峰系の下舞とは違って、こちらは御神楽舞の内容になっているところが特徴です。
川内神楽は羽田の権現舞から習ったというので、現在の黒田助獅子舞に見られるような獅子舞でした。
ところが、川内神楽の弟子神楽である和田神楽や玉ノ木神楽の権現舞には早池峰系の様式が混入しています。
とにかくご利益がたくさんありそうです。
権現舞の初段は太刀持ちが獅子を祓い
後段は米、水、酒で清祓をし、さらに風呂敷に包んだ物のお祓いをします。
最後に神送りです。
「登保加美恵美多美次良震選離押兌乾祓披給清米給・・・畏美畏美母白須」
動画でどうぞ
