大森神楽 葛の葉子別れの場@ 第41回みちのく神楽大会
さて本日は第41回みちのく神楽大会から大森神楽さんで葛の葉子別れの場です。
その前に大森神楽さんの由来について
「大森神楽は昭和45年7月、当時の衣川村立衣川小学校大森分校教諭の佐々木久雄(直木賞作家、三好京三)氏と当時衣川村の教育長で大原神楽の師匠、小坂盛雄氏が中心となり、分校の児童に神楽を伝授したのが始まりである。その後学校教育と関わりあいながら活動し、児童全員に踊り伝えられてきた。平成10年3月に大森分校が閉校になり、保存会としてスタートした」
とあります。現在の代表は佐藤吉訓さんです。
演目の葛の葉子別れの場は、以前に逢野ヶ宿子別れの場という題名で演じられたこともあります。
安倍保名に恩返しをするため葛の葉は夫婦になり、童子丸をもうけます。
葛の葉役の吉訓さん、好演です。
とある日、庭に咲く菊の花に見とれているうちに元の姿の狐に戻ったところを童子丸に見られて泣かれていま居ます。
それを儚んだ葛の葉は、泣く泣く童子丸を置いて信田ヶ森に一人帰る決心をし、保名にあてて1通の手紙を書きます。
さらに夫である保名にあてて別れの歌を一首障子にしたためます。
これが、行書を普通に筆で書くのも難しいのですが、南部神楽ではいろいろな手で書きます。
これは伊勢神楽などでも余芸としてつたえられています。
恋しくば 右手で右字
尋ね 右手で下から
来て見よ 左手で右字
和泉なる 右手で右字
信田の森の 左手で左字
浦見 右手で右字
葛の葉 口で右字
最期には口に筆を加えて見事に書き上げました。
保名が帰ってきて童子丸の枕元に手紙が添えられてあるのを見つけ、文に目を通すなり葛の葉の後を追いかけます。
この子を不憫に思うなら、せめて七つになるまで人の姿で育ててくれと懇願します。
しかし、己の真の姿を知られたからには信田ヶ森に帰るべきと断り、童子丸の成長を保名に託すとともに、一個の青玉を差し出し、「これは天地日月人間世界のあらゆることを見通すことのできる玉なれば、必ず人の役に立つ人間になってくでさい」と思いを託します。
動画でどうぞ
