平野原田植踊 @ 第22回上郷まつり
さて本日からは7月22日に遠野市上郷町で開催された第22回上郷まつりの様子についていくつか紹介していきます。
上郷地区のさなぶり行事的な芸能中心の地域行事ですが、地元の日出神社と併催で行われたこともありましたが、今年は単独での開催ということのようです。
平野原伝統民族芸能保存会という名称で活動されているようですが、芸達者な面々がいるようです。
囃子方の太鼓が踊りの列に入らないのが仙台田植えらしさが出ているところですか。
平野原田植踊の由来について「遠野の郷土芸能」より
「仙台黒川(宮城県黒川郡大和町、旧舞野村)より、弘化年間の頃兄弟の者、この遠野郷に来たり。兄は中澤(青笹村、飯豊、中妻、中澤)弟は平野原にて教えた」という。また平野原に残っている口上記録書には中澤より来たとされている。
ということです。
踊り手は、羯鼓太鼓を持った中太鼓と、唐団扇持ちに分かれている。
唐団扇持ちは口上を述べたり、演じものの役者となる。
それぞれ役に応じて名称がついていて、旦那、太郎、徳兵衛、馬褒め役、弥十郎、喜八、藤八、えぶ三郎、兵右衛門、与三郎、藤三郎、ご隠居様ということです。
仙台田植えとはいっても、秋保等の弥十郎田植系ではなく羯鼓踊系です。
気仙沼市の廿一田植踊も黒川から伝承したという羯鼓踊系の田植踊ですので、胆沢型の田植踊との類似性を考えれば宮城県北、岩手県南地方に敷衍していた感があります。
綾踊りが特徴的ですが、これが幕末頃に獅子踊と混交していった感じもしないわけではないようです。
他に出ていって演ずることが少ない平野原田植踊ですので、お目にかかれてよかったです。
動画でどうぞ
