江繋早池峰神楽 打ち鳴らし~鶏舞 @ 小国分館開所式神楽共演会
さて本日は、宮古市川井で開催されました小国分館開所式神楽共演会から江繋早池峰神楽で打ち鳴らしと鶏舞(鳥子舞)です。
江繋早池峰神楽ですが、これは旧小国村の国道340号線から早池峰山頂に向かう県道25号線(タイマグラ線)にある集落に伝わる神楽です。
江繋早池峰神楽保存会の現代表は田頭勇人さんです。
現在も演じることのできる演目は、鳥子舞、翁舞,三番叟、山の神舞、八幡遊、勢劔、一草、庭鎮め舞、虎走り、天女、権現舞等ということです。
古い伝書等は火災により焼失して神楽の発祥等は不明ということですが、閉伊七社明神のひとつである八坂神社に奉納されている権現頭には元禄3年(1690)との銘があるという。
かつては下村神楽とも呼ばれ、早池峰神社を始め村内の神社例祭に神楽を奉納する一方で、明治期までは沿岸部へ門打ちも行っていたという。
古い早池峰系の神楽とは思われますが、遠野の山伏神楽に近い感じがしますので、あるいは遠野経由のものが混在しているかもれません。
さて、神楽上演についてです。
最初に打ち鳴らしです。
舞込みをした後に神楽の場に神降ろしをするのが打ち鳴らし、奏楽です。
続いて鶏舞、または鳥子舞とも称している神楽の最初に出されるものです。
雲張りです
扇の数だけ舞手が出ることを予告します。
〽 ご祈祷に千代の御神楽舞遊ぶ
で舞出てきます。
この鳥兜を締める手拭いの感じは遠野の大出早池峰神楽と同じですね。
太鼓の音、拍子といい舞の手といい、早池峰神楽の古い形を継承している感じです。
川井の神楽は郷土芸能祭での1演目上演でしか見たことがなかったので、比較的穏やかな神楽という印象をもっていました。
が、この日は会場が狭い上に超満員の観衆だったので舞台前の床に座って見ていたためもあるのか、えらい迫力のある神楽だという感じで再認識しました。
なんというか、修験山伏の祈祷舞そのものといった感じでしょうか。
終盤では三宝に載せた米撒きがありますが、この日は地域のご婦人方が作った粟餅を撒きました。
御利生を授かりました。
動画でどうぞ
