鶯沢神楽 悪魔祓い @ 花山寒湯番所神楽鑑賞会
さて本日からは、5月27日に、宮城県栗原市の仙台藩花山村寒湯番所跡で行われた「三たて蕎麦と神楽鑑賞」のリポートとなります。この日は、鶯沢神楽さんと達古袋神楽さんが出るというので美味い蕎麦を食べて神楽鑑賞をしました。
ところでここ花山村寒湯番所というのは国指定史跡です。
寒湯番所は秋田県雄勝郡に通じる花山越えの秋田口の関所で、「仙台藩仙北御境目寒湯番所」と言われていました。御境目番所となったのは、伊達政宗公が岩出山入りしたあとの慶長年代からで、200余年間、往来する人と荷物の検問を行っていました。安政の初期に改築した、四脚門と役宅が現存しています。
ということで、その門です。ガッシリとした茅葺屋根で風格あります。
150年前まではこの門を旅人が行き来したのだと思うと不思議な感じもします。
この正面内側に検断所がありますので、そこで関所改めがされたのでしょう。
という訳で、番所の役人の居宅である役宅が現存していて往時を物語っています。
その前で神楽上演となります。
鶯沢神楽さんの由来について定本より
「明治初年、玉井豊之助、小野寺久五郎の両人が世話人となり、岩手県西磐井郡萩荘村達古袋神楽の師匠を招き、神楽の伝授を受け日向神楽を創設した。
戦前、戦後舞方が少なくなり中断していたが昭和三九年、町教育委員会が郷土芸能後継者養成講習会を開催した。講師は小野寺捨男、小野寺東策の両師匠の指導であった。
これを機に鴬沢神楽保存会を組織し現在に至る。
なお、明治一八年、二○年の二回にわたり、伊勢神宮に神楽を奉納したという。
また、大正年間、田谷神楽(江刺市愛宕)の指導をしたともいわれている。
初代庭元玉井豊之助、現在の庭元岸湊は六代目である。」
ということなそうです。現在の代表者は高橋長人さんです。
演目は悪魔祓いです。
内容は城生野神楽等のお山かけと同様で、神楽を始める前にその土地の繁栄や人々の無病息災、豊年満作などを祈願するものです。
この日は御番所での上演ということで交通安全も祈願しました。
祈願するのは月読命です。
時折河鹿の鳴く声が聞こえる中で、朗々と祈願文を歌い上げる声が森厳とした風景によく似合います。
動画でどうぞ
