高屋敷神楽 権現舞、三番叟 @ 第38回一戸町郷土芸能祭
さて、本日からは平成27年11月22日に取材した二戸市と一戸町の郷土芸能祭について書いていきます。
かなり前のことなので恐縮ですが、南部神楽のことを考える上でこの奥南部といわれる二戸地方の神楽を見て比較することは大変意義のあることなので取り上げていきます。
とにかく岩手県南部とは旧藩の違いばかりでなく文化の違いが感じられますが、歴史上に現れない交流もあったのだろうと推察されるものです。
ということで、最初は一戸町の高屋敷神楽です。
一戸町の神楽は一戸の山伏神楽として県無形民俗文化財に指定され、保持団体は高屋敷神楽と中山神楽です。
その他にも町内には女鹿神楽、小友神楽、田中新山社神楽が活動しています。
その中でも高屋敷神楽は歴史の古さと保持演目の多さが特徴です。
<権現様の前で打ち鳴らし 般若心経が唱えられます>
高屋敷神楽の源は、上女鹿沢の三明院という山伏にあると言われている。神楽は権現を捧持する山伏の重要な職分でるため、神楽を一人で舞うことは出来なく、12人の神楽男と呼ばれる人が必要だった。三明院が最も近くのまとまった村落である高屋敷の人々に神楽を伝え、神楽男に仕立て上げたのが高屋敷神楽の始まりと言われている。高屋敷地区では、小中校生へより多くの演目を伝承するなど後継者育成にも努めているという。
<子どもたちによる下舞>
権現様は二戸から八戸地方に同系統のものが多く見られるタイプで獅子幕は黒黄赤の三色で、勇壮に歯打ちを繰り返すのが特徴です。
さらに乗り権現という獅子あやしが獅子の背に乗る所作があります。
これは宮城県涌谷町の古式獅子舞や八戸の虎舞など三陸沿岸部でも同様のものがありますが、根底は同じなのでしょうかk。
最後は肩乗りをしての歯打ちです。
高屋敷神楽では1月2日に春祈祷として一軒一軒を訪問しての門打ちをしているということです。
さて次に三番叟です。
幕出し唄が終わると舞手が後ろ向きに幕から出て激しく舞います。
高屋敷神楽が保持している演目は、権現舞、鳥舞、翁、三番叟、若子舞、曽我兄弟、虎の口、以上を式舞としている。
さらに、中入り後に出すものに普将荒神、八串の舞、三本剣、山の神、三本こうじ、小獅子舞、笠松山、蕨折、鐘巻、機織り、鞍馬の山、小僧舞、根っこ切り、舅礼舞、長者の婿、雀ぼい、座頭舞などという。
動画でどうぞ。
