慈恩寺舞楽 蘭陵王 本山慈恩寺 一切経会
さて本日は慈恩寺一切経会から陵王です。
この曲は、左方舞の一人舞で、華麗に装飾された仮面を被る勇壮な走り舞です。
答舞は納曽利となっています。(明日紹介します)
とにかく仮面装束がカッコいい。
以前にNHK大河ドラマの「義経」のオープニングで、厳島神社をバックに蘭陵王が舞っている場面がありました。
双方に関連性は無いものの、北斉の蘭陵武王・高長恭が眉目秀麗な名将であったが、戦に臨んでは獰猛な仮面を付けて見事大勝したという故事と源義経の活躍を重ね合わせた演出と思います。
蘭陵王は金色の桴を持って天に突き上げるような動作が中心でも勇壮壮麗な印象を与えます。
林家が伝承している慈恩寺舞楽の陵王の舞はインドの戒日王が作った「龍王の喜び」という古代の歌劇の一節に由来する「沙羅龍王の舞」で世界最古の歌劇だったといわれています。
また、古代中国の武勇を舞曲にしたともいわれています。
陵王の舞は中国から伝わったものですが、仮面や曲の旋律からインシナ方面の南方から伝わって来た要素があることから林邑( 今のベトナム中部)の僧仏哲が伝えた林邑八楽の一つと考えられています。
慈恩寺では江戸時代まで雨乞いの儀式の時にも舞われたようです。
動画でどうぞ。
