慈恩寺舞楽 二の舞 本山慈恩寺 一切経会
さて本日は慈恩寺一切経会から二の舞です。
ことわざに「二の舞を演じる」ということがあります。
前の人の失敗を繰り返すことを意味するものですが、その語源となったのがこの舞楽二の舞です。
昨日の安摩で紹介した通り、安摩の舞と対になった演目ですが、真似しながらも失敗してばかりの舞です。
これは神楽でいえば翁に対しての三番叟がモドキであるのと同様に、二の舞は安摩の答舞の形をとってモドキを演じているものです。
二の舞は二人舞で、一人は笑い面をつけた翁で、もう一人は腫れ面をつけた媼です。
先に翁が安摩と同じく柄のついた扇を持って舞い出ます。
次に媼が足が悪いのか、這いながら舞台に降りてきます。
翁は体が弱った媼を終始支える仕草をします。
夫婦で助け合って長命延寿を喜ぶ姿を描いているのかもしれません。
(翁が媼の鼻をかんでやる場面です)
媼は翁が懐から出した鈴に興味を示し、幼子が鈴で遊ぶように打ち鳴らします。
年を重ねていくと赤児に還るという教えなのでしょうか。
二の舞は、滑稽でありながら人生を考えさせられる演目だなと思いました。
動画でどうぞ。
