慈恩寺舞楽 「燕歩」 本山慈恩寺 一切経会
さて本日は慈恩寺一切経会から燕歩(えんぶ)です。
その前に、慈恩寺で行われる舞楽についてですが、寒河江市の隣町に鎮座する谷地八幡宮の神職の林家に伝承されている舞楽です。林家舞楽といい、谷地八幡宮の秋の例祭、寒河江市の平塩熊野神社の例大祭、そして慈恩寺の春の法会に舞われるものです。
その起源は大変古く、大阪四天王寺の楽人、林越前正照が貞観2年(860)に、慈覚大師に従って山寺立石寺に来たことから由来するといいます。
その立石寺が衰退した頃に谷地八幡宮に移り、現在は林家が谷地八幡宮の宮司職を代々務めているということです。
中央の舞楽が室町以降に様々な変遷を経ているのに対して林家舞楽は早くに中央と隔てたために、現在まで平安期の舞楽を色濃く残していることで貴重な芸能となっています。ですので国指定無形民俗文化財となっています。
舞台は木を組み上げた仮設で、真ん中に天蓋が飾られます。
天蓋は上演の直前に掛けられました。
天蓋や舞台四方の竜頭のついた柱に幡が飾られるなど、後の法印神楽の装飾に影響を与えたのだろうと考えさせられました。
さて、最初の演目は燕歩です。
林家舞楽が伝承する曲目は燕歩、三台、散手、太平楽、安摩、二ノ舞、還城楽、抜頭、陵王、納蘇利の十曲です。
この日、慈恩寺舞楽で上演されたのは燕歩、三台、散手、太平楽、安摩、二ノ舞、陵王、納蘇利で、この内太平楽と二の舞は、慈恩寺の一山の人々によって舞われるということです。
鉾を振るという意味で「振鉾」という。
本来は天の神と地の神の二人舞だが、こちらでは一人で舞う。悪魔降伏の舞という。
最後は1人で鉾を2本持って舞い納めます。
動画でどうぞ。
