入谷の打囃子@中尊寺芸能奉演
さて本日は引き続き平泉中尊寺で行われました芸能奉演から入谷の打囃子です。
この入谷の打囃子は宮城県南三陸町の海辺から5km程山合に位置する入谷八幡神社の秋季例大祭に奉納されるもので、宮城県の無形民俗文化財に指定されています。
次の2枚の写真は平成14年に訪問した時のものです。
黄金色に色づいた田んぼの中を、色鮮やかなバレンや屋台が進んでいく様は、正に日本の秋祭りといった風情です。
入谷八幡神社の祭礼の概要は次の通りです
打囃子は明和元(1764)年が初奉納と伝えられ、古くは桜沢地区の人々によって奉納されていたが、明治時代から入谷の四つの集落でそれぞれが打囃子講を結成し、持ち回りで奉納するようになった。また、神輿の渡御は文化年間(1804~1818)に始まったとされていて、田んぼの中にある御旅所「一本松」でも打囃子が奉納される。
この打ち囃子には次のような伝承があるということです。
「入谷と登米の境界で、入谷の猟師がイノシシを捕まえた。
それを見ていた登米の猟師、
「そこはオラの村の領地だから、そのイノシシはおらほのものだ」
と言って持って行ってしまった。
入谷の猟師、
「それはおかしい、うちのものだ」
と代官所に訴え出た。
お裁きが出る間、入谷の猟師は争いの勝利を八幡神社に祈願し、「勝ったら、盛大なお囃子を奉納する」と誓った。
結果、入谷の猟師の主張が正当という裁定が出た。
誓いをを果たすため、時の肝入り山内甚之丞が京都に村人を派遣し、京都の祇園囃子を習わせ、奉納した。」
というものです。
入谷の打囃子は、芸人と呼ばれる獅子舞、獅子あやし、笛、小太鼓、大太鼓のほか、先陣旗や神威を示す花飾りを持つ人たちで構成されている。
大太鼓は勇壮に太鼓を打つのが醍醐味で中高生が担当する。
小太鼓は踏み抜き屋台に小学生以下の子どもたちが入り、歩きながら太鼓を打つ。
獅子舞の獅子は2頭が出て、それぞれに獅子あやしが付く。
この日は、上演の最後には会長さん自ら太鼓を叩き、全員で獅子に着いて踊りました。
正に集落の紐帯が見て取れる「村祭」でした。
今年はまた祭りに行ってみようかな!
現在の祭りの期日は:毎年9月15日に近い日曜日になっています。
今年は9月16日の日曜です。
祭りのおおよそのスケジュールは次のとおりです。
10:00 神社大祭 本殿にて祈願
10:30 お旅出発
10:50 お休み場到着(一本松)
11:20 お休み場出発
11:40 八幡神社到着 打囃子奉納
動画でどうぞ。
場所はここです。
