牧澤神楽 敦盛と直実 @第14回いわい地方民俗芸能祭
さて本日は、第14回いわい地方民俗芸能祭から牧澤神楽さんで 敦盛と直実一の谷軍記よりの場です。
その前に、牧澤神楽さんの由来について定本より
「明治42年秋、牧沢部落にある八幡神社の秋季例祭に、西磐井郡山目村赤荻笹谷神楽を奉納した。
この神楽のすばらしさにひかれ部落の八幡神社の奉納神楽を組織しようと相談した。
阿部繁雄他八人が世話人となり、西磐井郡金沢村、飯倉神楽より菅原貞四郎、菅原惺、高橋衛、岩渕惣之進等の師匠を招いて神楽の指導を受け、牧沢神楽を創設した。
初代庭元阿部繁雄、二代阿部繁美、三代阿部繁行である。」
とありますが、昭和末期に中断した。その後真滝中学校で鶏舞を指導された子供たちが成長し平成14年に再結成した、現代の代表者は阿部繁行さんです。
牧澤神楽さんの神台本によれば、一の谷軍記と題して五幕に段事が分かれて記されています。
第一幕は「敦盛妻別れ」 二条中納言祐資卿の館で妻玉織姫に生まれ来る子どもへ形見を託して別れを告げる場面
第二幕は「敦盛と直実」
第三幕は「玉織姫捨て子」 敦盛亡き後源氏の追手に怯える玉織姫が我が子に刃を向けようとした時に侍女の朝千代に止められ、いっそ加茂の明神の下に捨て子なされと諭され松の根本に捨て子をする。そこへ法然上人と蓮生坊が通りかかり赤児を拾い上げて法童丸と名づけます。
第四幕は「法童丸親子名乗り」 七歳になった法童丸は自分の親に会いたいと懇願するので、法然上人は都で辻説法を行い集まった人々にこの子の親がいたならば名乗り出よと呼びかけます。それに応じて玉織姫が出てきて親子対面となります。
第五幕は「生田の森の墓所」 父に会いたいという法童丸に法然上人は加茂の明神様に参り十七日の断食参籠しなさいと諭します。参籠する法童丸の前に妖怪が出て試します。満願の丑の刻に夢に加茂の明神が現れて生田の森の墓所に急げと告げます。そして生田の森で父敦盛の魂魄と対面します。
となっております。
敦盛です
源氏方の剛将 熊谷次郎直実です
撤退の際に陣屋に青葉の笛を置き忘れ、味方の船に乗り遅れた平敦盛を捕らえた源氏方の熊谷直実ですが、捕らえてみれば我が子に似た年格好。
親御の心情を思いいたして、ここは逃れよと敦盛を放ちます。
しかしながら、直実と先陣を争った平山判官に否を咎められ、敦盛を討てと責められます。
〽 戻せ戻せ~ と大音声で敦盛を呼び戻し、その首級を打ち落とそうする場面です
敦盛が念仏を唱えます
西は西方弥陀如来
北は八幡大菩薩
東は大日如来様
南に向かいて手を合わす 南は薬師如来さま
首を討ち取ったあとの熊谷直実の演技は、やむなく討ち取ったものの後悔の念が滲む様子が表現されていて大変見事でした。
動画でどうぞ。
