上根子神楽 鶏舞 @ 羽山神楽初舞
さて本日は、花巻市湯本に伝わる羽山神楽さんの初舞にお邪魔して参りましたのでそのリポートです。
この初舞ですが会場は花巻温泉の座敷という贅沢な空間で、お昼ご飯の振る舞い付きという幸せな時間を過ごさせていただきました。感謝。
そしてこの日は、ゲストとして同じ花巻市内の上根子神楽さんも出演。
ステージに鎮座する権現様ですが、右が岳系統の羽山神楽さんのもの、左が円万寺系統の上根子神楽さんのものです。
それぞれよく特長が出ています。
ということで、神楽に先立って神事が執り行われ、続いて式舞から始まりました。
最初は上根子神楽さんの鶏舞です。
上根子神楽さんの由来は次のとおり
「由来について、明治3年の神楽本が伝承されているので、幕末期よりと言える。
北東北特有の山伏神楽の中でも、岳・大償系・黒森系など他の山伏神楽とは違う流れるような優雅な舞振りを基調とし、法印色の強い円万寺系神楽の特徴を色濃く伝えています。平成15年3月花巻市無形文化財指定。本拠である熊野神社では6月25日の例大祭の他、元旦祭奉納、2月の春祈祷の門付け等を行なっている。」
とあります。本田安次著「山伏神楽・番楽」の円万寺の神楽について記述された中に
「今、上根子に組織されているものは近年分かれたここの弟子神楽で、これは(春祈祷)は上根子方面を廻る」とあります。
ところで円万寺神楽は早池峰神楽と同時期に興ったとされるが記録はなく、江戸時代の初期に花巻を領地としていた北松斎が鳥谷ヶ崎神社祭礼の渡御のとき神輿が重くて動かなくなり、神主や山伏が祈祷をしたが効き目なく、勧める者がいて円万寺神楽を奉納したところ動くようになった。それ以後、松斎の厚い庇護を受けた。とあるので慶長年間以前に遡ることは確か。
ちなみに舞手は双子さんでしょうか。
さらに、式舞などの演目は早池峰神楽と同様なのだがその舞い方や奏楽等が大乗神楽や番楽に近い部分もあって興味深い。
殊に、流れるような舞の所作に特徴がある、私はこれを「空飛ぶ神楽」と呼んでいる。
動画でどうぞ。
