城生野神楽 鶏舞 @ カグラメグル 鶏舞づくし
さて本日は、一関市は世嬉の一で開催された「カグラ・メグル鶏舞づくし」から城生野神楽さんで 鶏舞です。
その前に、城生野神楽さんの由来について定本より
「嘉永年間(一八四八)富野城生野の富助が岩手県西磐井郡萩荘村市野々、自鏡山の山伏神楽を習得した。後部落の若者達に指導して城生野神楽を創設した。
以来城生野神楽は、山伏神楽の正統を保っているので宮城県北の神楽の総元締である。
初代庭元千葉幸之進、現在の庭元加藤義勝は五代目である。
昭和三六年一一月、築館町の無形文化財に指定されている。」
とあります通り、幕末に自鏡山の法印神楽を習得して以来、明治中期に阿久戸神楽に伝承したのを初めに、栗原地方の十数団体に神楽伝授を行なってきた団体であります。現在の代表は佐藤安美さんです。
この日の胴は佐藤涼さんです。
今回のカグラメグルでは、鶏舞づくしの前日に「カグラつくる」と題したワークショップを開催し、城生野神楽さんの指導で神楽で使うホコ(幣束)を作る体験もありました。(その犠牲になって手を切ってしまった神楽人もおりましたが)
南部神楽にはつきものの鶏舞ですが、実はそのもととなった法印神楽には鶏舞はありません。
またもう一つのもととなった山伏神楽には鶏舞はあるものの、現在の南部神楽の鶏舞とは全く芸態が異なります。
というか、鶏舞と御神楽の差異が判然としない山伏神楽にあって、南部神楽の鶏舞にはその残照が見て取れます。
なので、現在の南部神楽の鶏舞は山伏神楽の鶏舞をベースにしつつ、華やかな舞の所作を組み入れていったのかと推察します。
その典型がこの城生野神楽さんの鶏舞です。
岩手県内南部神楽の鶏舞(御神楽)には無いハイスピード感あふれる舞となっています。
それとともに、早い崩し舞の後半で舞手全員がピタッと止まる瞬間があります。
これは早池峰神楽系の崩し舞等でも見られる所作で、ここで観客から「ヨシッ!」等の声がかかる最高の見せ場です。
南部神楽で鶏舞を演ずる団体は多くありますが、このピタッと止める瞬間があるのは城生神楽だけです。
動画でどうぞ。
