「津波のあとの十三浜」に寄せて
さて本日は今年の最終ブログとなります。
今日は1月21日に開催されます南部神楽鑑賞会の話題からといきます。
詳細は当ブログ付属の「祭りの追っかけ メモ板」にて掲載しておりますので、参照されたし。
で、今日の本題は南部神楽鑑賞会に出演する大室南部神楽さんについてです。
先日ブログで書きました宮城県石巻市北上町のにっこり歳の市に行った際に、アポなし訪問したのが下の写真です。
ここは、北上町大室の佐藤清吾さんのお宅です。
先の震災津波によって大室集落はほとんどの住宅が被災し、危険区域指定されたため高台を造成して集団移転したということです。
震災から6年を経て新居に入ることができたと聞いておりましたので、迷惑を顧みずに押しかけて色々と話を伺いました。
<写真向かって左が佐藤清吾氏 右で本を持っているのが愚生>
話の中で、佐藤清吾さんが千葉県の支援者の勧めもあって、大学ノート3冊に書き留めた手記を出版したということを伺いました。
佐藤清吾さんとご一家の皆さんに降り掛かった災難や、大室地区の被災状況から復興への長い道のり。
それにもまして、地域のリーダーとして粉骨砕身努力してこられた上での思いや、国を憂える気持ちがよく理解できる筆致で書かれていて一気に読み通してしまいました。
この本は道の駅上品の郷等でも販売しているということですので、是非ご一読ください。
また、この本の中でも大室南部神楽の復活時の様子が書かれていています。
津波によって、神楽道具や神楽台本、そしてなにより神楽保存会の重鎮も被災して亡くなったということ。
震災後は保存会メンバーがバラバラに仮設住宅等に住むようになったため集まる機会が少なくなったこと。
そうした中から、かつて子供神楽をしていたメンバーが大人になり、神楽をまたやりたいという思いで東奔西走して準備を始めたことなども書かれています。
復活祭当日の様子は自ブログを参照されたし。⇒大室南部神楽保存会_ 岩戸入り
佐藤清吾さんに伺った話では、大室では子供に教えるときも決してやつさないで教えるということでした。
子供だからといって、型を崩したり、省略して教えると、そのまま大人になった時にまたその子供に崩れた型を継承する。
こうして次第に神楽が違ったものになってしまわないようにということです。
これは民俗芸能全てに通じることだと思います。
だから大室の神楽は指の先から足の先までビシっと筋の通った舞ができるのだと毎回感心して見ておりました。
その大室南部神楽が見られる北上春まつりがまた開催されるということも聞きました。
来年の5月4日です。皆さん見に行きましょう!
<画像は平成25年の復活祭>
大晦日なのでもう一つビッグな情報です。
来年の4月1日に上品の郷の南側に造成された振興住宅地の完成を祝って河北地区芸能祭(勝手にタイトルつけました)が開催されるということです。石巻市の様々な郷土芸能が上演される予定とのことなので、これも詳細が分かり次第お伝えします。
今日の動画は過去UPしたもので申し訳ありませんが、平成25年5月4日大室南部神楽復活祭での岩戸入りです。
今年一年、当ブログをお読み頂き感謝申し上げます。
来年も引き続き祭りと芸能の話題満載といきたいと思いますので、叱咤激励よろしくお願いしながら、皆様の来る年のご多幸を祈念するものです。
