箱石こうきりこ @ 第45回川井郷土芸能祭
さて本日は、第45回川井郷土芸能祭から箱石こうきりこです。演目は庭廻、初庭、中踊、引羽ということです。
箱石こうきりこ、前回は出演していなかったのでかなりしばらくぶりに見ました。当ブログでも意外なことに初出です。
ということで、由来について
「巻物等の伝書はないが、口伝によると幕末の頃、加賀の国から来た老夫婦の医者が箱石村(現宮古市箱石)に長く滞在したときに伝授したということ。毎年お盆に地区民によって踊り継がれ、平成二年に旧川井村の無形文化財第一号に指定された」
ということです。
お盆の8月14日に太夫の庭を皮切りに、地域内の好心寺で踊り、その後箱石鹿踊とともに地域内を踊って回る。
こきりこというと、五箇山のこきりこ節が有名で「こきりこの丈は七寸五分」と歌われることから23cmぐらいと思いますが、箱石のは二尺ぐらいもあろうかという長さなので「袖のかなかい」にならないように大きく振り回す所作が特長です。
ところで、踊り手が頭に付けている飾り「ヒタイアテ」と呼ぶそうですが、以前から気になっていたのでアップにしてみました。
夜空に雲と星が描かれ、中央には月輪です。いかにも仏教的な感じがしますので、盆供養に相応しい模様となっています。
新潟県の小切子踊では天冠を付けているので、その流れかもしれません。
箱石地区で保存会を結成したものの踊り手の女子が減少したために、現在は川井中学校が総合的な学習の時間に練習して取り組んでいるものです。
東北地方でも、なかなかお目にかかれない珍しい芸能なので、度々メディアに取り上げられますが、決して風流踊りという面だけでなく、祖霊供養の信仰的である点がこの箱石こうきりこの本質なのかと思います。
動画でどうぞ。
