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2017.10.09 | Comments(0) | Trackback(0) | カテゴリ神楽

栄神社祭典 神入舞

さて本日は、仕事の関係で休みとなった9月19日に斎行された横手市大屋新町に鎮座する旧村社栄神社の祭典に行ってきた時のリポートです。

ブログタイトルには栄神社祭典としましたが、正しくは境内社の厳島神社の例祭です。
毎年9月19日に行われるこの神事は、「獅子祭りの神事」と言われています、このことの詳細は明日書くことにします。

さて、この栄神社は昔は「法龍山祝融寺太子堂」と呼ばれていたということで主祭神は聖徳太子です。



創建は大同4年(809年)と伝えられ、坂上田村麻呂が太子堂を建立し、聖徳太子の尊像を祀ったものとされているとのこと。
本尊の太子像は明応5年(1492年)雲海、性海、大海と言う修行僧が携えていたものと言われている。

IMG_6915.jpg

神事は、10時40分に社務所から神官が列をなして進み、社殿に入る前に境内にて祭を行います。
参列していた参拝者も一度社殿から外に出て参列拝礼しました。

IMG_6920.jpg

続いて神官たちが社殿に上がって神事が開始です。
こちらの宮司さんの方針と聞きましたが神事は略さずに行うということで、献膳も三宝に載せた供物を神官たちが一つ一つ手渡しで神前に供えていました。
それと、これは秋田県の神社祭礼での通例ですが、祭式の間中神楽が奏楽されます。
神社の神事というと雅楽が流れる中という感じですが、ここでは三拍子(太鼓、笛、銅拍子)です。

IMG_6928.jpg

秋田県の神楽というと、修験者が伝えた番楽を思い起こすのですが、横手市大森の保呂羽山波宇志別神社の霜月神楽も重要な神楽です。
この霜月神楽は、神社の神官が祭事に集まって神楽を修することから寄り合い神楽の様式で、周辺の神社の祭礼には、それぞれ集まって奉仕するシステムになっています。
正式な名称は無いのですが、大曲地方では仙北神楽という括りであったり、高梨神社を中心としては正神楽という呼称を用いているようです。ですので当ブログでもとりあえずこれを正神楽と呼ぶことにします。
これは湯立から獅子舞までの神楽を行うことを「正神楽式」と呼ぶことから、湯立神楽を奉ずる神楽奏上をおしなべて「正神楽」とするものです。
学術的には湯立神楽や霜月神楽なのでしょうが、湯立を行わなかったり演目を約めて行うなど、その祭礼のスケジュールに合わせて行うこと等から区別して呼んだほうが良いと思います。あくまで私見ですが。

で、この日の神楽奉納は神入舞と獅子舞でした。

IMG_6932_20171009164114d19.jpg

神入舞は「神楽次第」「神楽歌扣」には無い演目で、明治末期以降に他の神楽等から影響を受けて加えられたものといわれている。
刀を持って舞いながら、途中で空手で剣印で舞をするなど、社家神楽の要素が強い霜月神楽ですが、修験神楽の影響が見てとれる部分が沢山有ることがわかります。

IMG_6944.jpg

最後には三宝に載せた餅を配るなど、五穀豊穣の祈祷を思わせる所作で締めくくりました。

IMG_6947.jpg

動画でどうぞ。




場所はここです。

テーマ:伝統芸能 - ジャンル:学問・文化・芸術

2017.10.09 |

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祭・・・それは祈り、畏れ、そして縋り付くばかりの信仰、神人共生の歓びの象徴。さて、明日のエネルギーの糧を求めに彷徨おう。

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