山口さんさ踊り @土渕まつり2017
さて本日は、8月20日に開催されました遠野市の土渕まつりから山口さんさ踊りです。
由来については遠野文化研究センター刊「遠野の郷土芸能」より
「大正時代初め頃、小国村(現宮古市小国)大久保から尻石磯吉が厚楽家へ婿入した。磯吉の兄嫁はさんさを覚えている人であり、この兄嫁が山口の自分の家に泊め、地域の人たちを集めてさんさを覚えさせたという。この兄嫁は箱石村(現宮古市箱石)横沢の出身で、さんさも当時そこで踊られていたものである」ということです。
最初に御神輿の神様に甚句踊りを奉納です。
昭和26年まで地元婦人会で継承されてきたが中断。昭和47年に復活し保存会を結成。平成24年に遠野遺産に認定。
上演演目は、六歩、通り、さんさ甚句(宮古甚句、甚句、拳甚句)、組踊、引き端踊り、参拝踊り、きっかたか、他
昔には中踊りとして、みやこ甚句、秋田甚句、秋田おばこ等を余興として踊ったこともあるという。
盛岡を中心としたさんさ踊りは、テンポの早い踊りで、くねりが多く跳躍する動きなどもありますが、この山口さんさ踊りは比較的ゆっくりとしたテンポで優雅な手踊りとなっています。
伝承元の宮古周辺のさんさ踊りとも異なっているので、所作がより風流化してきたのかもしれません。
ともかくも、遠野祭りのポスターに選ばれる回数も遠野南部ばやしと争うぐらい多いことから人気の程がわかります。
ところで、踊り手の衣装ですが、他のさんさ踊りでは赤襦袢に浴衣を着ていますが、山口さんさでは振り袖に手甲脚絆と前垂を着けています。この出で立ちは遠野南部囃子と同様のものです。
浴衣よりこちらの方がより優雅さが引き立つという考えだったのかもしれません。
それにしても前垂の向鶴紋が気になります。これは南部家の定紋です。
いつかは山口さんさの地元で見たいものです。旧暦4月7日、山口の薬師堂の宵宮だと。
動画でどうぞ。
