行山流口内鹿踊 如意輪寺奉讃 @ 第56回北上みちのく芸能まつり
さて本日は、第56回北上みちのく芸能まつりから、行山流口内鹿踊さんで礼庭についてです。
口内鹿踊の伝書によれば
「文化11年(1814)に江刺郡稲瀬村上門岡杉沢屋敷(現 北上市稲瀬町上門岡)の六郎治から、上口内村草刈場の市太郎に伝授」したとあります。その後、一時中断したものの昭和47年から熊谷保等の指導により、昭和51年に免許相伝を受けているということですが、この上門岡鹿踊は相去から伝承した金津流でした。
ところが、口内は安永二年(1773)に行山流大原山口系から行山流を伝授(東北民俗P81H29.8刊)されている。
鹿頭の後ろに行山の文字が入っています。されど、やはり金津流も混じっているような。
さて、演目に入る前に、中立が三光を踏みます。
口内は現在では北上市になっていますが、昔は江刺郡福岡村といい現江刺の生活圏にあります。
なので、生活様式や民俗芸能も江刺圏内という解釈になります。
また、このエリアでは「三つ踊り」と称して、鹿踊、剣舞、奴踊りが各集落に伝承されてきた経過があり、地域の紐帯の基となる重要な役割を担ってきました。
伝書によると口内鹿踊に伝承される演目は、一番庭(礼庭)、二番庭(中庭)、三番庭(鉄砲踊り)、女鹿子狂い、案山子、岩崩、露ばみ、中山狂、春駒狂、土佐 となっている。
ここ最近、太鼓系鹿踊の系譜について再検証する取り組みが活発になってきています。
その中で、従来口伝されてきた系譜とは違う姿が浮かび上がってきています。
このことは、鹿踊を伝承する踊り手たちのみなさんが自分のルーツを真摯に求めている結果のような気がします。
この姿を今後も追いかけようと思います。
動画でどうぞ。
