薬莱神社三輪流神楽 「四面切楽」
さて本日は、薬莱神社三輪流神楽の篝火神楽から最後の演目となりました。
神楽の終演の儀礼として舞台の四方に回した注連縄を切り放つという四面切りです。
神楽舞台といえば、薬莱神社三輪流神楽では法印神楽の様式で舞台飾りをしておりました。
舞台の四方に忌竹を立てて、その上方に対角線に竹を交差させ中央部に大乗荘厳を飾ります。
大乗荘厳は、二枚の神鏡を下げて、その廻りを五行色の幕で囲み、そこから四方の忌竹に千道(白紙の紙垂)を渡しています。
この様式は法印神楽では大同小異の飾りです。
もっとも大崎八幡の能神楽では四角い木組から十二方に紙垂が垂れていました。⇒自ブログ参照
演目の四面切楽ですが、この日は素面に白衣の一人舞で、正に四方に回した注連縄を切り放つというものでした。
この四面切楽は神楽秘伝鈔によると、武甕槌尊、齋主命(経津主命)、奥玉命(猿田彦命)の三人舞で、「洲棲楽同意の楽也」とあるので、本来は三人での刀舞で刀潜りをする演目です。
鹿島楽といい、洲棲楽といい、三輪流神楽ではこれほどに鹿島香取二神の国造りが重要視されているということでしょうか。
ちなみに大乗神楽の〆切舞も三人舞の刀潜りになっていますので、同系ということだと思います。
という訳で、二年に一度開催されます三輪流神楽の篝火神楽上演ですが、以上終わって8時30分頃でした。
今回は、子供たちの演目や囃子方での参加が多くあり、将来を期待される感じがしてとても充実した上演会だったなと思いました。(写真は載せませんでしたが、舞台後方で小さい子が小さい太鼓を打っていました)
昭和53年に宮城県指定文化財となったということですが、成立時期など今後の研究が進むと、あるいは国指定に相当する神楽のような気がします。
動画でどうぞ。
