薬莱神社三輪流神楽 「神拝楽」
さて本日は、薬莱神社三輪流神楽の篝火神楽から 「神拝」です。
神拝は伊弉冉尊伊弉諾尊二神の国産みの話の演目で、浜神楽では白露(はくろ・しらつゆ)とも呼ばれていますが、舞の構成は大分異なっているようです。
伊弉冉尊伊弉諾尊が天の浮橋に立ち、天の沼矛で海中を探り、鉾の先から滴り落ちて固まってできた島を淤能碁呂島と名付け、その地に立って国産みをした。
さて、三輪流神楽の特長はこの後です。
神拝にしろ、白露にしろ舞台に立つのは二神のみと思っていましたがさにあらず。
神楽秘伝鈔によると配役は「伊弉諾尊 伊弉冉尊 合 太玉尊」とある。能楽よろしくシテの二神に対して太玉尊が出て来る。
(話それますが、この癋見面は相当古いそうです)
伊弉冉尊伊弉冉尊が国産みをなして和歌を一首歌う
〽 いざここに 我が世は経なん すがわらや
伏し見の里の あれまくもをし
そして、太玉尊が呼び出されて、滔々と二神の国産みから大和の国の由来を神詠で述べる。
つまり、ここでの太玉尊の役割は浜神楽でいうところの智驚(ツケ)である。
本田安次の陸前浜の法印神楽によると、本吉気仙沼地方では二神のあとに「智驚一人出 祝詞を誦、二神出て、舞様品々多」とあるので、太玉尊かどうかは別にして、物語の説明役として元々はツケがいたことになろうか。
最後は、二神が扇と鈴を採って御神楽で舞い納めます。
動画でどうぞ。
