城生野神楽 八岐の大蛇退治 @ 第40回みちのく神楽大会
さて本日は、第40回みちのく神楽大会から大トリです。城生野神楽さんで 八岐の大蛇退治です。
その前に、城生野神楽さんの由来について定本より
「嘉永年間(一八四八)富野城生野の富助が岩手県西磐井郡萩荘村市野々、自鏡山の山伏神楽を習得した。後部落の若者達に指導して城生野神楽を創設した。
以来城生野神楽は、山伏神楽の正統を保っているので宮城県北の神楽の総元締である。
初代庭元千葉幸之進、現在の庭元加藤義勝は五代目である。
昭和三六年一一月、築館町の無形文化財に指定されている。」
とあります通り、幕末に自鏡山の法印神楽を習得して以来、明治中期に阿久戸神楽に伝承したのを初めに、栗原地方の十数団体に神楽伝授を行なってきた団体であります。現在の代表は佐藤安美さんです。
この日の胴は佐藤正行さんです。
出雲国簸之川上に住む老夫婦が嘆き悲しんでいる場面から始まります。
脚摩椎です。翁舞の役です。
手名椎です。媼の役です。
八人いた娘のうちの末娘稲田姫です。
そこへ自らの狼藉により高天原を追放された素戔嗚尊が訪れます。
八雲舞で入り込みます 舞手は高校3年生です
〽 セン八雲立つ~ エーイ エーイヨーイ
心だに~ エーイ エーイヨーイ
素戔嗚尊が、老夫婦に嘆き悲しむ訳を尋ねると、大蛇に稲田姫を差し出さなければならないという。
素戔嗚尊は大蛇退治を決意し、稲田姫を我に賜るならば大蛇を退治せんと宣言します。
(舞台下には特別出演が・・・)
手名椎足名椎は素戔嗚尊に言われたとおり、八つの樽に酒を満たして置きます。
そこへ八岐の大蛇が現れ酒を飲み干します。
ところでこの天井から大蛇を吊るした仕掛けには、舞台袖で操る係がおります。城生野神楽さんでは「蛇使い」と呼んでいるようです。客席からは見えないのですが、大蛇の動きを活かすも殺すもこの蛇使い次第です。見事でした。
素戔嗚尊と八岐の大蛇退治の死闘です。
素戔嗚尊が大蛇の首を斬ると血しぶきが飛び散ります。赤く染めた籾殻です。
見事大蛇を討ち取った素戔嗚尊は一首の和歌を詠みます。
〽 八雲立つ出雲八重垣妻ごめに八重垣作るその八重垣を
大蛇を退治し、平和が戻るとともに稲田姫と素戔嗚尊の婚姻を祝い、また村々の五穀豊穣を祈念して千代の御神楽 崩し舞です。
宣伝になりますが、城生野神楽さんでは10月29日に「神楽伝承まつり」を計画しているようです。
地元に伝わる伊治城築城1250年を記念して伊治城物語「宝亀春の夜嵐」と題した演目も上演するようです。
動画でどうぞ。
