大槌鹿子踊 @ 大槌町郷土芸能祭
さて本日は、大槌町郷土芸能祭から大槌鹿子踊です。
と言っても、大槌鹿子踊という団体は存在しません。
これは、2011年の東日本大震災以降に各団体の継承を堅固にする目的で、大槌町内にあった鹿踊5団体が継承を含めて協力し合うということで合従したものです。
その構成は徳並、臼澤、上亰、金澤、吉里吉里の五団体です。
その象徴が、鹿の頭から背中にかけて下げている「カンナガラ」の保存継承です。
カンナガラとは、ドロノ木を鉋で薄く削って帯状にしたものだが、近年このドロノ木が減少されて来ていることに危機感を感じていた。
そこへ、長野県上田市の信濃国分寺ではドロノキからお守りを作るために20年前から植樹を行って成功していると聞き、国分寺から助言をもらい、大槌自生のドロノキの種から200本の苗を育てたという。
そして平成26年4月27日に大槌町の新山に苗木を鹿子踊り団体が協力して植樹したことがきっかけで、それなら踊りも合同でやろうということで発足したということです。
大槌町の鹿子踊は、金澤が旧川井村経由で伝承されたことを除けば、並べて釜石市鵜住居川地域から伝承されたもので、囃子の曲調に多少の違いはあるものの、概して同様の芸態を伝えています。
この日の上演は、子供たちが中心で、継承をしっかりとやっているという意味合いがよく感じ取ることができました。
カンナガラを作るためのドロノキが成長するまで50年かかるということですが、その50年後までこの芸能が継承されていくことを目標として取り組んでいる面もあります。
何よりも、震災を契機として町内団体が大同団結し、統一して踊れる演目を創作して横の連携を強化しようとしている取り組みに頭が下がります。
秋には小鎚神社や大槌稲荷神社の祭礼がありますが、復興からさらに前に一歩進んで持続可能な継承へと取り組んでいく大槌の鹿子踊にも応援していきたいと思います。
秋祭での奉納、門打ちが待ち遠しい。
動画でどうぞ。
