大森神楽 翁舞・三番叟 第30回あやめ祭り神楽大会
さて、本日からは7月2日に宮城県栗原市一迫町のあやめ園で開催された第30回あやめ祭り神楽大会のリポートとなります。
この大会も30回の節目を迎えたということで、今年は式舞から始まり、6団体による曽我モノを通しで上演するという、昔の夜神楽を再現した構成となっていました。実行委員会の皆さんの努力に感謝いたします。
上演の最初は大森神楽さんで式舞の翁と三番叟です。
その前に大森神楽さんの由来について
「大森神楽は昭和45年7月、当時の衣川村立衣川小学校大森分校教諭の佐々木久雄(直木賞作家、三好京三)氏と当時衣川村の教育長で大原神楽の師匠、小坂盛雄氏が中心となり、分校の児童に神楽を伝授したのが始まりである。その後学校教育と関わりあいながら活動し、児童全員に踊り伝えられてきた。平成10年3月に大森分校が閉校になり、保存会としてスタートした」
とあります。現在の代表は佐藤吉訓さんです。
さて、南部神楽の翁舞です。現在では上演されることは非常に稀ですが、古い南部神楽の台本では御神楽に続いて翁舞と三番叟、八幡、山之神が式舞として演じられていたようです。これは山伏神楽を色濃く残している流派の神楽団体で行われていたようです。これは山伏神楽が古い能楽から引いていることもあり、能楽では式三番として父尉・翁・三番猿楽が連続して上演されていたことに由来する。
烏帽子に翁面をあてて、天下泰平、長寿祝う目出度い舞です。
〽 さて天竺の末代川の池の亀 こうに千歳三頭の星の玉を戴いて 萬劫経るとかや
千万歳をとって この所に四ツのお祝い申さんと 百歳や二百歳は徳の盛りなり
木はかえりて茅となり 茅はかえりて老いらくとなる
太鼓応えて 〽 しょせなしょせな 七世の孫に会いたるためしは目出たけれ
オモシロヤオモシロヤ 翁の舞はオモシロヤ~
続いて三番叟です。
幕出し唄は
〽 吉が野に吉が野に 日が照るとも照るとも 常に絶えせぬどどと鳴るは瀧の水
鶴と亀との共連れて 幸い心にまかせたり
こちらでは三番叟は五穀豊穣を祝う舞としているようです。
三番叟 「ヤレヤレ ぽっこりもとにてボウガリボウガリトボウガリめく者は 何者にて候」
太鼓「権現の囃子を打って候」
三番叟「我らは南方とうや上からりんの者にて候」
太鼓「我らはとうや下からりんの者にて候」
三番叟「舞いたるついでに法問のひとつも申そうか」
太鼓「法問にとりては」
三番叟「かりゅう面に打ったる木の面を取って顔にあて、御前に押し直らせたる不思議さよ」以下略
〽 上を見たれば下を見たれば おとよ川とて流れ来る
動画でどうぞ。
