和賀大乗神楽 神おろし・神送り@第17回慶昌寺公演
さて本日は和賀町煤孫の慶昌寺での和賀大乗神楽公演から、演目ではありませんが、儀礼的な神おろしと神送りについてです。
大乗神楽は陸前浜の法印神楽の異伝とされていますが、法印神楽でも舞に先立って舞台加持を行います。
浅部法印神楽では法印が祝詞を奏上しておりました。
南部神楽でも一部の団体では今でも神降ろしを翁舞をつけて行っている例があります。
最初に代表が祈願文を読み上げ、印を結び九字を切って神仏に祈祷します。
その後に奏楽。
和賀町教育委員会刊行「和賀大乗神楽」には「舞台加持の神歌」として次の三句が掲出されている。
〽 神々のおわせる水を 清むには 八浦の汐に七瀧の水
〽 千早振る豊剣にも勝る哉 天の浮橋けづり拂えば
〽 千早振る神世の末の神如に おりも不浄も 嫌わざりけり
変わって、神楽の最後に神送りとなります。
同じく「和賀大乗神楽」から数句掲出してみます。
〽 神道は千道百道 道七つ 中なる道は神の通道
〽 神送る高座の山も晴れて 鳥急ぎ帰らせ四方の神々
と、ここまでは大乗神楽とは違う異伝の法印神楽とされる上沼法印神楽の神送りの神歌と同じです。
が、上沼法印神楽には次の一句があります。
〽 大乗に 神留まるな今日よりも 又来る年も神揃いせん
いずれにせよ、こういった儀礼的な事を省略することなく大事に伝承していることに敬意を表しつつ、慶昌寺公演のリポートを終わります。
動画でどうぞ。
