狼ヶ志田神楽 天の岩戸入れ@第50回胆沢郷土芸能まつり
さて本日は、第50回胆沢郷土芸能まつりから最後の演目、狼ヶ志田神楽さんで天の岩戸入れです。
その前に、狼ヶ志田神楽さんの由来について(南部神楽系譜調査報告書より)
「狼ヶ志田神楽は、文久元年神楽の祖、菅原甚太郎、菅原新右エ門、菅原今朝吉、小野寺長蔵等が、小山、中沢神楽の本庄板太郎より山伏神楽を伝授された。
明治二十五年十一月、菅原甚太郎が上昼沢佐藤家を通して達古袋と縁組をしたことから、西磐井郡萩荘村達古袋阿部徳太郎、小岩彦三郎両師匠より達古袋神楽を伝授された。
達古袋神楽は、達古袋に永住した羽黒山系山伏一七代元道常学院相模坊が指導したと言われる。
大正五年二の台、養ヶ森、大正八年恩俗、衣川雲南田等に狼ヶ志田神楽を伝授している。
明治二五年初代庭元菅原甚太郎より昭和四四年九代庭元青沼松男に引継がれている。」
現在の代表は高橋先雄さんです。
本題に入る前に、先ごろ「南部神楽」というタイトルでDVDが作成されました。
これは奥州市文化遺産活用実行委員会が平成28年度文化庁芸術振興補助金を活用して南部神楽を発信するために取り組んだ成果です。
胆沢の南部神楽を広くアピールするためと後継者育成を目的として、演技が分かりやすいように南部神楽の実演を収録したものです。その実演を担ったのが狼ヶ志田神楽さんです。
平成28年度は神舞を中心に収録し、平成29年度は仕組の演目を収録する予定。
このDVDは、奥州市内の図書館や小中学校に配布したので、ご覧になることができると思います。
今回収録した演目は、。御神楽、天の岩戸入れ、天の岩戸開き、五大領、三番叟です。
さて、狼ヶ志田神舞さんでは、会員19名中の10名が子供たちの会員ということです。
その中から、この日は中学生2人が月読尊と猿田彦を演じました。
月読尊です
猿田彦です
大熱演の最後は、これもまた激しく舞い踊る崩し舞です。
実はこの二人の中学生は、狼ヶ志田地区ではない地区、神楽組でいえば別の団体の地域から通って狼ヶ志田神楽さんで稽古に励んでいるということです。
彼らの地元の神楽組が現在衰微しているためですが、そこも今少しずつ活動を再開しているので、いつの日か地元の神楽を牽引する神楽師に育ってくれることを期待します。
動画でどうぞ。
